2013 Fiscal Year Research-status Report
近現代日本の民間精神療法に関する宗教史的考究 身体と社会の観点から
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24520075
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Research Institution | Maizuru National College of Technology |
Principal Investigator |
吉永 進一 舞鶴工業高等専門学校, 人文科学部門, 准教授 (90271600)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 直子 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (10608433)
塚田 穂高 國學院大學, その他部局等, 助教 (40585395)
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Keywords | 精神療法 / 霊術 / 太霊道 / 静坐法 / スピリチュアル |
Research Abstract |
日本宗教学会第72回学術大会(2014年9月8日)にて、分担研究者・研究協力者によるパネル「近現代日本の民間精神療法の展開」を主宰し、平野直子(早稲田大学)「宗教・医療・精神療法―昭和戦前期における差異化の言説と困難―」、野村英登(二松學舍大学)「瞑想における姿勢の要求と身体観」、栗田英彦(東北大学)「岡田式静坐法の応用例―昭和初期『静坐』誌を資料として―」、塚田穂高(國學院大學)「新宗教の発生・展開過程における「精神療法」の位置」、ヤニス ガイタニディス(千葉大)「「精神療法」の医療化―スピリチュアル・セラピーの分析から―」の発表を行う。近現代日本において広く実践されてきた「修養」「呼吸法」「健康法」「精神療法」「霊術」「療術」「癒し」「ヒーリング」「スピリチュアル・セラピー」などの諸技法と実践をひとつの枠にまとめ、医療と宗教とは別の第三極として提示することを提唱した。 研究代表者、吉永進一は、11月日本トランスパーソナル心理学/精神医学会第14回学術大会(同志社大学、2013年11月2日)において基調講演「民間精神療法に見る東と西」を発表し、日本の精神療法成立へのアメリカの心身技法の影響を論じた。 また、2014年2月1日に龍谷大で開催された第8回「仏教と近代」研究会では、研究協力者のJustin Steinが「Reiki and the Trans-Pacific Production of 'Universal Energy'」、同じく栗田英彦が「京都静坐社の国際的ネットワーク」を発表、平野はJustin Steinの発表に資料提供などの協力を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
精神療法概念をめぐる基礎的な検討作業が終了できたことで、宗教史や医学史との共同作業がどのような形で可能か、またどの団体を特に重点的に研究すべきかなどの見通しがついた。資料的な面では、昨年実行できなかった『太霊道』誌の電子化作業は完了して、現在、公刊方法を検討中である。また、トロント大学のJustin Steinが参加してくれたことにより、海外での発表や、海外研究者とのさらなる交流が視野に入ってきた。これにより民間精神療法への多様な影響関係が明らかにできるかと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は「政治と身体技法」の関係について研究会と学会発表を行う予定としている。発表については、デジタル化された『太霊道』誌を研究者に配布していく予定。海外の研究者からの寄稿も含めて、日本語での論集の発行も検討する。Justin Steinと平野直子は、共著でReikiに関する英語論文を準備中であり、海外の研究者への情報発信も進める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
『太霊道』誌デジタル化が予想外に安価で終わったため。 研究協力者への交通費に使用。
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Research Products
(7 results)