2014 Fiscal Year Annual Research Report
少年・少女雑誌にみる子供の生活と思想――戦後期の「笑い」投稿欄を基に
Project/Area Number |
24520092
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
福井 直秀 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (20115926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 尚志 夙川学院短期大学, 児童教育学科, 准教授 (70572866)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 少年雑誌 / 笑い / 投稿欄 / 制作環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
昭和20年代の少年雑誌の「笑い」関係の投稿欄(「笑い話」、「こっけい和歌」、「トンチ・スクール」、「マンガ」など)の投稿者について、次の点を聞き取り調査した。1生年、家族構成、両親の職業、2雑誌への投稿の経緯、3投稿についての周りの人たちからの影響、あるいは示唆など、4雑誌の入手方法、、5雑誌の記事で印象に残るもの、6当時の愛読書、7笑いを作ることをどう思っていたか、8学校、家、地域でどのように過ごしていたか、9当時の関心事、得意な分野、10少年時代の自分の特徴、11成人後ついた職業。 雑誌は、『少年クラブ』、『少年』を中心に、『中学生の友』、『小学六年生』、『少年世界』などであった。 中にはその事実を全く覚えていないであるとか、思い出したくないという回答もあったが、答えていただいた投稿少年に共通していたのは、次のような点であった。1、周りから進められてではなく、それまでの雑誌を見て、これなら作れると思って実際に作ったこと。この点については、投稿をめぐって少年の仲間などが形成されていたのではないかという、予想はまったく当たらなかった。 2、少年時代の投稿がその後の人生に積極的な影響を与えたこと、たとえば、その後、仕事を円滑に行う助けになったとか、現在までの趣味に行かせているということ。これは、「笑い」や自分で創造することの持つ人生への意味を知ることが出来た。 3読書好きが多かった。これは、読む物が少ないため、渇望感から読み物を求めたという回答が寄せられた。
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