2014 Fiscal Year Annual Research Report
17世紀前半における知の基軸としての光学ーデカルトとその論争者を通してー
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24520093
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Research Institution | Otemon Gakuin University |
Principal Investigator |
武田 裕紀 追手門学院大学, 基盤教育機構, 准教授 (50351721)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際研究者交流(フランス) / 国際研究者交流(イタリア) |
Outline of Annual Research Achievements |
1)10月にパリ第一大学のアンドレ・シャラック氏を招へいして、セミネール、および講演会を主催した。Descartes et ses contemporainsと題したセミネールでは、シャラック氏のみならず、研究代表者を含む日本のデカルト研究者も発表(計5名)し、研究課題を含むテーマについて充実した討論がなされた。その際の発表原稿は、大学紀要において公表した。またシャラック氏は、自然科学にとっても関連の深い「ハルモニア」概念について講演し、代表者はこの講演原稿を翻訳したうえで、若干の注釈を施し、同じく大学紀要にて公表した。 2)『デカルト全書簡集』第三巻の翻訳を出版した。この中で、望遠鏡のための双曲線レンズを研磨する話題が頻繁に登場する。この件について、『屈折光学』を中心とした様々な資料を調査して、適切な注釈を施した。 3)「デカルト光学を構成するもの」と題して、デカルトにおける光学を構成している要素を、伝統的ないし同時代の学問の継承あるいは批判といった観点から分析した。これによって、たとえば光の伝達については、一方で伝統的なアリストテレスとの関連、他方で、新しく勃興しつつあった力学的世界観との関連において調査し、重層的なデカルト光学像を提示することができた。 4)3月にイタリアの哲学史家、ジャンニ・パガニーニ氏が外国人研究者招へい事業によって来日したが、16,17世紀に関する講演において、通訳・講演録翻訳者に対して助成した。
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Research Products
(3 results)