2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24520096
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
末木 文美士 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (90114511)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 比較思想 / 仏教 / 日本中世 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本中世仏教の思惟方法を検討し、それを他の諸思想と比較し、現代的意味を探ることを目的として、3年間の研究を行なった。具体的には、(1)真福寺などに写本で伝えられる文献を調査し、その思想内容を分析した。(2)平成24年度には研究会を開催し、仏教研究者のみならず、現代哲学研究者も出席して、広い視野からの比較研究を進めた。(3)平成25年度には、中日仏学会議(北京)、世界哲学会議(アテネ)に出席して、成果を発表した。(4)比較研究を進めるために、平成24年度には世界的な仏教学者ベルナール・フォールの著作Unmasking Buddhism(仏教の仮面を剥ぐ)の和訳(試訳)を作成するとともに、平成25年度には拙著『浄土思想論』の中国語訳、『仏教vs.倫理』の英訳を作成した。 中でも、最終年度は、上記二つの翻訳を中心課題とした。『浄土思想論』は、劉麗嬌氏(北京大学大学院生)に中国語訳を依頼して、それを検討するとともに、日本の仏教思想を中国語に翻訳する際の問題点について考察した。また、『仏教vs.倫理』は、仏教と世俗倫理の関係を検討したものであるが、アントン・セビリア氏(総合研究大学院大学生)に英訳を依頼して、それを検討するとともに、仏教思想を現代の問題としてどのように捉え直すことができるか、それを英語として世界に発信するには、どのような問題があるかを検討した。これらは、今後、日本中世に基盤を置いた思想研究を現代に生かす上で基礎をなす成果である。
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Research Products
(6 results)