2014 Fiscal Year Annual Research Report
住吉派の事例にみる古典受容の在り方の解明-画像のパターン分析を中心に-
Project/Area Number |
24520112
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
下原 美保 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (20284862)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江村 知子 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, その他部局等, 研究員 (20350382)
高岸 輝 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (80416263)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 住吉派 / 古典編集 / 画像分析 / 琳派 / 近世やまと絵 / 中世やまと絵 / 国際情報交換(アメリカ) |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究報告会】 2014年12月26日(金)に、東京大学赤門総合研究棟7階738号室にて、本年度の研究報告会を開催した。研究代表者の下原と分担者である髙岸、江村、連携研究者である佐藤公則(鹿児島大学理工学研究科教授)、森元啓志(同大学工学部4年生)、研究協力者である赤澤真理(同志社女子大学生活科学部助教)ほか、科研メンバー以外の研究者が8名が参加した。まず、森元が「ハフ変換による画像分析について-絵巻の建築物を中心に-」と題し、絵巻に登場する建築物の斜角やクローズアップの検出方法及びその結果について報告した。次に、下原が「住吉如慶筆〔紀州東照宮縁起絵巻〕にみる近世やまと絵の古典編集」と題し、同作品における古典受容の在り方について、狩野探幽の同画題作品と比較しながら報告した。その後、江村より、同絵巻と近世土佐派作品との相違点-室礼表現を中心に-が指摘された。最後に五十嵐有紀(東京藝術大学大学院)が博士論文の一環として手掛けた「年中行事絵巻」の摸写(現存作品も如慶による摸写)を見ながら、原本における画面形成の過程や、如慶における摸写の在り方について討議が行われた。 【研究代表者・分担者の活動状況】 下原は6月29日(日)に久保惣記念美術館で住吉如慶筆「三十六歌仙図」、住吉具慶筆「蓮に蛙図」、同「在原業平観梅図」を調査した。7月21日(月)にはチェルシー・フォックスウェル准教授と会い、アメリカ合衆国内でのやまと絵作品の所在及び研究状況についてご教示いただいた。7月29(火)・30日(水)には、和歌山県立博物館にて、下原、髙岸、江村及び大阪芸術大学河田昌之教授らが、住吉如慶筆「紀州東照宮縁起絵巻」を調査し、プロのカメラマンに全巻分を撮影してもらった。8月6日(水)には、下原が河田教授らとともに、東京国立博物館にて住吉如慶筆「伊勢物語絵巻」の調査を行った。
|
Research Products
(8 results)