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2014 Fiscal Year Annual Research Report

宗教改革期のニュルンベルクにおける農民祝祭版画の総合的研究

Research Project

Project/Area Number 24520136
Research InstitutionYamagata University

Principal Investigator

元木 幸一  山形大学, 人文学部, 教授 (10125669)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsゼーバルト・ベーハム / 農民祝祭版画 / ケルミス / 歯医者 / 居酒屋 / 刃渡り / 九柱戯
Outline of Annual Research Achievements

・宗教改革期の農民祝祭版画をハンス・ゼーバルト・ベーハム作《ケルミス大版画》を中心として、モティーフ毎に図像起源、社会的意味などを具体的に分析した。つまり居酒屋、歯医者、雄鶏合戦、ダンス、九柱戯、刃渡り、鶏ダンス、徒競走、競馬のモティーフである。
・居酒屋は15世紀前半のESの親方、ハウスブーフの画家、bxgの親方、デューラーなどドイツの芸術家を起源とする。それに対し、歯医者はネーデルラントのルーカス・ファン・レイデンを出発点とし、それにドイツの大衆版画に見られるスカトロジカルな意味を付与している。歯医者の中世における実態は、市など祝祭を巡って放浪していたことが詩人ハンス・ザックスなどの作品から判明する。ダンスは当時の社会的状況から身分を規程するものだったが、ここでは明らかに農民ダンスである。また、九柱戯、刃渡り、鶏ダンス、徒競走、競馬なども当時の娯楽として祝祭に催されたものであることが、歴史的に解明される。
・こうして農民祝祭版画は市を中心とする祝祭をメインテーマとしているが、その利用法と機能を当時の記録と画中版画から分析すると、居酒屋や旅館など大衆が多数集まる場所に展示されたということが分かる。それらは市などにおいて販売された。また版画を詳細に比較すると《ケルミス大版画》は数版制作されたことが判明する。それだけ好評だったのである。
・《ケルミス大版画》の中心にはマルティン・ルターとおぼしき人物が配されており、より複雑な様相を帯びることになる。1525年のニュルンベルクにおけるルター派公認以後、ニュルンベルクとその支配地域では祝祭は規制され、ケルミスのような祝祭は禁止されることになる。だが、市は容認されたので、ニュルンベルク周辺では二つの市が存続した。その一つがメーゲルドルフの市で、おそらくはこれら祝祭版画は、このメーゲルドルフにおける市を描いたものと考えられる。

Remarks

『山形大学人文学部研究年報』第12号掲載論文は山形大学小白川図書館HPからダウンロードできるようになる。

  • Research Products

    (3 results)

All 2015 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results,  Acknowledgement Compliant: 1 results) Book (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] ペテン歯医者と雄鶏合戦ーハンス・ゼーバルト・ベーハム作《ケルミス大版画》のモティーフ分析―2015

    • Author(s)
      元木幸一
    • Journal Title

      山形大学人文学部研究年報

      Volume: 12 Pages: 21~41

    • Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
  • [Book] 宗教改革期のニュルンベルクにおける農民祝祭版画の総合的研究(研究成果報告書)2015

    • Author(s)
      元木幸一
    • Total Pages
      42
    • Publisher
      山形大学
  • [Remarks] 山形大学人文学部研究年報

    • URL

      http://www2.lib.yamagata-u.ac.jp/elib/serials/serials.html#annals_h

URL: 

Published: 2016-06-01  

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