2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24520166
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
水野 みか子 名古屋市立大学, 芸術工学研究科(研究院), 教授 (50295622)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電子音響音楽 / ネットワーク音楽 / シェフェール / インタラクティブ音楽 / ストカスティク音楽 / データベース / 国際情報交換 / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、 20世紀半ば以降の現代音楽に関して「ひびき」の概念を打ち出し、和声、旋律、律動という三分法でも、音高、持続、強度、音色という四分法でもない音楽構成分析の視軸を提示することを目的とする。研究過程では、歴史研究、分析研究、創作実践の三つの分野を横断する形で、当該時代の作品や作曲家の新生面を明らかにした。(1)ストカスティク音楽、アクースマティク音楽、スペクトル楽派、ポスト・スペクトル世代の作品群について、 スコア分析、EAnalysis、AudioSculpt等の解析システムによる音響解析を行い、加えて、MAX/mspを用いて作曲理論をオーディオ波形に再現した。これによって、「ひびき」に関する20世紀特有の音楽語法を考察した。(2)-1. ピエール・シェフェールと彼に影響を受けた数多い同時代作品のうち、日本人作曲家がパリGRM(音楽研究グループ)スタジオで製作した作品の調査を、GRMの協力を得て行った。 -2. ピエール・シェフェールの1940年以前の活動について資料調査を行い、日本では知られていなかったシェフェールの演劇活動とローバー活動について、ラジオフォニック芸術のコンセプト基盤として一定の記述を行った。(3)情報マスター側の視覚像がスレーブとしての音になるときの「ひびき」の認識と、音声がマスターになって映像等の視覚像がスレーブになる際の「ひびき」への集中度とに関して、特別な理念を持つ作品を創作・発表した。(4)ネットワーク音楽について、国際ネットワークのメイン会場として3ケ所のハブ会場を結んでホスト機能を果たして、ネットワークコンサートを主催した。(5)邦人作曲家による電子音響音楽について独自のデータベースの基礎研究を行った。データベースはソルボンヌ大学の技術協力によって公開されている。
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Research Products
(5 results)