2013 Fiscal Year Research-status Report
アートプロジェクトにおける、市民の「関わり」今日的手法とその変遷について
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24520169
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| Research Institution | Osaka City University |
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Principal Investigator |
雨森 信 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 特別研究員 (40614657)
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| Keywords | アートプロジェクト / アートマネジメント / 芸術 / 美術史 / 市民参加 / コミュニティ |
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| Research Abstract |
研究２年目の平成25年度は、研究計画に沿って、80年代のアートプロジェクトを牽引した主宰者への対面によるインタビュー調査を実施した。聞き取りを行ったのは、調査対象として挙げている4件のうち、「牛窓国際芸術祭」、「環境アートプロジェクト岩国・錦川・錦帯橋」、「アートネットワーク’83」の3件である。さらに、「アートネットワーク’83」の藤浩志や「環境アートプロジェクト岩国・錦川・錦帯橋」の参加アーティストの一人である柳幸典については、現在の活動も現地にて視察を行った。
また、昨年度から引き続き、80年代、および90年代以降（現在まで）に実施されているアートプロジェクトの資料、情報を収集し、整理、年表を作成すると同時にマッピングの作成を行った。
80年代に実施された主な4つのアートプロジェクトの大きな特徴としては、都市ではなく地方（山梨県、岡山県、山口県）の自然環境のなかで実施されていたということ、また、「牛窓国際芸術祭」以外は、すべてアーティストにより立ち上げられ、運営されているということが挙げられる。京都のまちなかにて開催された「アートネットワーク’83」においても、市内を流れる鴨川の河原が起点となっている。 この当時のアートプロジェクトにおいて、アーティストたちの内発的動機としては、現在のように「住民参加」という観点は希薄である。しかし、アートという権威で守られたホワイトキューブから出て、具体的な場所に介入し作品を展示することを通して、彼ら自身がその場所や社会の制度や人々と出会っていく機会となっている。こうした経験が契機となり、その後の活動にも大きく影響を及ぼしていることが、藤浩志や柳幸典への聞き取り、また彼らの現在の活動からも明らかとなった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では25年度中には終了する予定であったインタビュー調査が少し遅れているが、その他は概ね予定通りに進んでいる。
研究期間内の達成目標である1)1980年代～2011年までのアートプロジェクトの年表作成は2010年までほぼ完了している。また、その増加状況と発生場所を視覚化するために、地図上にマッピングする作業も行っている。２）80年代アートプロジェクトの発生の経緯、アーティストの内発的動機を聞き取りによって分析し、＜市民との関＞わりとの相互関係、またその変遷について考察するためのデータを収集（60％達成）。またこれらのデータより、アートの枠組みにとらわれず、現実社会の課題と対峙する強度のある創造活動のなかで「市民との関わり」を創出していくためには、アーティスト自身が、現場で試行錯誤を重ねていくことで、その手法を発見していくことが必要なのではないかという知見が、これまでの調査から明らかになりつつある。
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| Strategy for Future Research Activity |
研究3年目、最終年度となる26年度は、予定している「アートキャンプ白州」ほか二人のアーティストのインタビュー調査を実施し、引き続き、アートプロジェクト発生の経緯とアーティストの内発的動機、また、市民との関わり＞との相互関係ついてのデータを収集、分析する。さらに、現在の活動も追ってみていくことで、その変遷を明らかにする。
また、これまでの文献およびインタビュー調査のデータをもとに、系譜の作成と、類型化の作業を進める。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していたインタビュー調査の一部が次年度の実施となったため旅費一部が執行出来なかったため。またテープ起こし、データベース作成などの補助作業人件費も次年度の作業となったため。
今年度は、旅費（インタビュー調査のための）、および人件費（テープ起こし、データベース作成補助）などに使用する予定である。
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Research Products
(2 results)
