2014 Fiscal Year Research-status Report
アートプロジェクトにおける、市民の「関わり」今日的手法とその変遷について
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24520169
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
雨森 信 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 都市研究プラザ特別研究員 (40614657)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アートプロジェクト / アートマネジメント |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1990年以降、日本各地において急速な増加を見せる地域密着型アートプロジェクトの発生と変遷について明らかにすることを目的とし、そのなかで、プロジェクトの発生にいたるアーティスト(主宰者)の内発的動機とそこから生みだされる表現活動における市民の「関わり」との相互関係に焦点をあてて分析を行う基礎研究として進めている。研究3年目の最終年度となる平成26年度は、研究計画に沿って、80年代のアートプロジェクトを牽引した主宰者への対面によるインタビュー調査および分析、アートプロジェクトの系譜作成、現在のアートプロジェクトの形成過程を明らかにすることを目標に調査を進めた。また、主にインタビューの対象者が関わる現在のアートプロジェクトを視察し、関係者などへの聞き取りを実施。この現場での調査に加え、2014年に刊行された『アートプロジェクト 芸術と共創する社会』(熊倉純子監修、水曜社)からも、80年代と比較すると、活動する場所や人々との関わりまた、プロセスの共有や市民参加による共同作業は、現在アートプロジェクトを企画運営するうえで欠かせない要素となっていることが明らかになっている。さらには、少子高齢化や経済のグローバル化、東京への一極集中などの影響を受け、商店街のシャッター通り化や中山間地域の限界集落、近代産業を支えた工業地帯や炭鉱跡、震災など自然災害によるさまざまな課題を抱える地域に問題意識を持って「継続して」関わっていこうとする態度も現在の傾向と言えるだろう。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画では26年度中には終了する予定であったインタビュー調査が、予定通り進まなかったため、延長申請をし、次年度に実施することにした。予定通りに進まなかった要因は、本研究申請者の職務状況が変わったこと、また、インタビュー対象者の体調不良などから、日程調整がうまくいかなかったことにある。 研究期間内の達成目標である1)アートプロジェクトの年表(1980年代~2011年)に2011年以降のアートプロジェクトも追加。および主なアートプロジェクトの視察も行った。その増加状況と発生場所を視覚化するためのマッピング作業の更新作業を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
研究3年目、最終年度となる26年度に予定していたが実施できなかった「アートキャンプ白州」ほか二人のアーティストのインタビュー調査を27年度実施し、引き続き、アートプロジェクト発生の経緯とアーティストの内発的動機、また、市民との関わり>との相互関係ついてのデータを収集、分析する。また、これまでの文献およびインタビュー調査のデータをもとに、系譜の作成と、類型化を完成させる。
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Causes of Carryover |
本申請研究代表者の職務状況が変わり、計画していた調査通りに進まなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
最終年度となる27年度は、予定しているインタビュー調査とともに、データ整理、さらに必要な資料の収集、分析を行う為、旅費、人件費・人件費などを主に支出する予定。
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Research Products
(3 results)