2013 Fiscal Year Research-status Report
日本政治漫画における諷刺の限界~日米諷刺漫画の比較的研究9-11から3-11まで
Project/Area Number |
24520170
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
STEWART Ronald 県立広島大学, 生命環境学部, 准教授 (30458088)
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Keywords | 風刺 / 風刺漫画 / 政治漫画 / 新聞漫画 / 日米比較文化研究 / 表象論 / 被災 |
Research Abstract |
本研究は、約2001年~2011年の日米風刺漫画の内容と背景を比較することで、近年の日本政治漫画にある風刺の文化的、構造的そして実践的な状況、相違点と限界を明らかにするものである。 この3年間の研究計画の2年目であった25年度には、資料収集とその整理と分析を中心にして研究を進めた。今年度に注目する日本の新聞風刺漫画の収集の範囲を3大紙から地域新聞まで広げて、海外の新聞風刺漫画も集めつづけた。漫画集、漫画雑誌および新聞DVD版を購入し、そして図書館および博物館に所蔵されている過去の新聞から風刺漫画をコピーし、収集した。24年度に集めたものと合わせたら、12,000枚以上の漫画(米国漫画7,807枚、日本漫画4,304枚)を集め、この約7割をスキャンした。このスキャンした漫画をより簡単に比較し分析するためのデータベースを作り続けており、日米漫画の風刺の対象や扱っているテーマの比較を始まった。 1年を通じ、風刺、風刺漫画、視覚文化およびメディア分析に関する研究論文・資料も集めた。そして、風刺漫画関係のイベント(展示会と講演)に移動し、直接に風刺漫画家の話を調査した。 この資料を使って、24年度に始まった比較のテーマの一つである「国内の被災」に関する研究をさらに深め、研究結果の学会などで3回発表した。二つは日本の3・11 / 福島第一原子力発電所の事故とアメリカのメキシコ湾で起った原油漏れの事故に関する風刺漫画の比較であった。もう一つは福島民報の連載風刺漫画と日本の3大紙の風刺漫画の比較であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
風刺漫画を分析するためのデータベース作りがまだやや遅れ、まだ完成していない。この一年に風刺漫画家の風刺と仕事に関する考えを調査することができたが、風刺対象、編集者との関係、また取り扱うテーマと取り扱わない(あるいは取り扱うことできない)テーマをめぐるより具体的な話を漫画家に聞く必要がある。被災に関する風刺漫画の研究および日米風刺漫画の構造および内容の共通点と相違点についての研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は以下の通りである。 (1)風刺漫画の分析用データベースを完成し、統計的に全体のテーマおよび内容を分析し、日米諷刺漫画の共通点と相違点におけるより掘り下げた分析し、10年間の変遷、両国の漫画における風刺の限界などを考察する。(2) 「被災」というテーマ以外のテーマをもう一つ選び、より細かく分析と比較する。(3) 他の漫画家をインタビューする。(4) 研究を学会で発表しフィードバックを得る。(今年の6月に二つの大会で日本アジア研究学会(ASCJ: Asian Studies Conference Japan)のパネルで、そして日本マンガ学会のラウンドテーブルで、研究を発表する予定である。(5) 学術雑誌へ投稿する研究論文を書く
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主な理由が二つ1)調査と資料収集の為の出張は計画した時間より短い。2)資料収集はやや遅れており、コピー代や書籍の購入で使ったお金が計画した企画より少ない。 次年度の研究費の使用計画に書いたように、さらに調査(インタビューなど)と資料収集の調査出張をし、研究関係の書籍や資料を購入し、資料を整理する収納メディアや文房具を購入し、コピー代や相互貸借代などでこの科研費額を使用する予定である。
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Research Products
(3 results)