2014 Fiscal Year Annual Research Report
日本政治漫画における諷刺の限界~日米諷刺漫画の比較的研究9-11から3-11まで
Project/Area Number |
24520170
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
STEWART Ronald 県立広島大学, 生命環境学部, 准教授 (30458088)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 風刺漫画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、約2001年~2011年の日米風刺漫画の内容と背景を比較することで、近年の日本政治漫画にある風刺の文化的、構造的そして実践的な状況、共通点、相違点及び限界を明らかにするものであった。 3年間の研究計画は資料収集、整理と分析を中心にして進めた。収集した米国の新聞風刺漫画は主にネット上配信されたものであった。日本の風刺漫画の収集は日本の3大紙の漫画を中心にしたが、日本の風刺漫画現状における全体像を把握するために数少ない地方紙、週刊雑誌、漫画専門誌、ネット上の画像サイト及び風刺漫画家の展示会からも資料を集めた。集めた漫画(総計14,000以上)を整理して分析するためのデーターベースを作った。分析を深めるために関連した風刺漫画研究を読み、数人の漫画家の話を聞いた。この3年間には、主に被災をテーマにした風刺漫画を比較して風刺漫画の共通点と相違点を見出した。同時に、日本の新聞風刺漫画と新聞以外の風刺漫画の相違点も明らかにした。近年の日本政治漫画があまり研究されていないので、この研究は、海外で独立した学際的研究分野としてなりつつある「風刺漫画研究」に貢献し、米国に比べると日本の風刺漫画はどの形でいかなる社会的な役割を果たしているのかという重要な質問を答える。 この研究結果を複数の学会と講演で発表した(この3年間9回)。本年(27年度)にも研究結果を、米国のホリー・ネームズ大学に開催される国際ユーモア学会研究大会で発表する予定であり、そして5月に二つの学術雑誌("European Journal of Humour Research"(査読済み)と京都精華大学の『国際マンガ研究』)に発表する予定である。尚、これからも本研究でできたデーターベースを生かして、他のテーマの風刺漫画を注目し、より掘り下げた研究をする予定である。
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Research Products
(7 results)