2014 Fiscal Year Research-status Report
ジョン・ケージにおけるジャポニズムとオリエンタリズムの再検討
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24520180
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
白石 美雪 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (60298023)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 音楽 / アメリカ / ジョン・ケージ / ジャポニズム / オリエンタリズム / 前衛芸術 / 芸術史 |
Outline of Annual Research Achievements |
第3年度は「批評分析の進展と成果発表」として、前年に引き続き、研究対象のジョン・ケージに関する批評および記事、ケージ史料に関する所在と実体を把握する作業を進めた。同時に、オリエンタリズムとジャポニズムをめぐって、ケージ自身の文章と彼を対象とするアメリカの批評と記事および日本の批評と記事から、日本・東洋に関する記述の言説分析を行った。引き続き、オリエンタリズムとジャポニズムに関する言説の分析を行う計画であり、一部、研究調査の予定、研究対象に関する範囲を変更したが、研究はほぼ計画どおり実施した。研究成果の発表としては、国立音楽大学大学院研究年報『音楽研究』第27輯に日本の新聞におけるジョン・ケージ記事目録を掲載することができた。 1.アメリカと日本におけるケージを対象とする批評および記事の把握(継続)およびオリエンタリズムとジャポニズムに注目した言説分析 日米の一般の新聞におけるジョン・ケージに関する批評および記事を簡単なものまで含めて網羅的に調査し、『朝日新聞』『読売新聞』『毎日新聞』などの主要新聞の記事データを1970年代に絞って、目録としてまとめ、ケージ自身の文章と、彼を対象とする日本の批評および記事から、オリエンタリズムとジャポニズムに関する記述の言説分析を行った。1950年代の批評および記事に頻出していたジャポニズムとオリエンタリズムに関する記述は、60年代、70年代と数が減少していったことが確認された。 2.ケージ以降の前衛芸術家におけるオリエンタリズムとジャポニズム アラン・カプロー、ディック・ヒギンズらとケージの影響関係を文献においてあらためて確認しながら、オリエンタリズムとジャポニズムに関する言説に関する調査を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内と国外の新聞調査を前年度からの継続として行い、目録を一部、公開することができた。1970年代の日本の三大新聞のケージ関連記事においては、ジャポニズム、オリエンタリズムをめぐる言説が掲載記事のほんのわずか、3点のみに限られることが確認された。昨年の調査結果とあわせて、62年の初来日以降、ジャポニズム、オリエンタリズムをめぐる言説の減少傾向が加速していったことがわかった。今年は予定していたアメリカへの調査旅行を行わず、近年、発表されているジャポニズム、オリエンタリズムからのケージ研究を精読することを優先した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は「批評分析のまとめと成果発表」をテーマとして、次の課題に取り組む。 1.アメリカと日本におけるケージを対象とする批評および記事の把握(継続)およびオリエンタリズムとジャポニズムに注目した言説分析 1980年代の日本の三大新聞のケージ関連記事の調査を進め、ジャポニズム、オリエンタリズムに関する記述の分析を継続する。 2.ケージ以降の前衛芸術家におけるオリエンタリズムとジャポニズムの言説分析 3.研究成果の発表としては、ジョン・ケージに関する日本の新聞批評・記事に関する目録のうち、未発表部分を公開する。また、本研究の成果を論文としてまとめ、2016年5月15日刊行予定の『ニューヨーク―錯乱する年の夢と現実』(論集・西洋近代の年と芸術 No.7 竹林舎)に掲載する予定である。
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Causes of Carryover |
予定していたアメリカへの調査旅行を行わなかったことから、次年度使用額が生じた。近年、発表されているジャポニズム、オリエンタリズムからのケージ研究を精読することを優先した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ケージの自筆史料を収蔵している機関のあるニューヨーク、ケージ以降の前衛芸術家の資料を所蔵している機関のあるロサンジェルスのうち、とくに最終年度の研究に必要な調査地をあらためて検討して実施する。また、引き続き、記事調査および成果発表のための作業費用として使用する。
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Research Products
(4 results)