2013 Fiscal Year Research-status Report
鑑賞者の情動反応に基づくメディアアート表現の可能性の探求
Project/Area Number |
24520191
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Research Institution | Doshisha Women's College of Liberal Arts |
Principal Investigator |
森 公一 同志社女子大学, 学芸学部, 教授 (60210118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真下 武久 成安造形大学, 芸術学部, 講師 (10513682)
二瓶 晃 同志社女子大学, 学芸学部, 助教 (30368435)
砥綿 正之 京都市立芸術大学, 美術学部, 教授 (50249372)
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Keywords | メディアアート / 脳神経科学 / バイオフィードバック / 情動計測 / 脳波測定 |
Research Abstract |
平成25年度は、作品《E-motion》を制作・展示し、ここで得た鑑賞者(体験者)のデータを検証すること、および最終目標としているプロジェクト《rendez-vous》(仮題)に向けての予備的な実験と検証を行った。 作品《E-motion》は、鑑賞者の「情動」をフィードバックする映像インスタレーション作品(実験装置)である。作品の鑑賞者に対して、壁面にプロジェクションされた男性(または女性)の多様な表情(感情表現)を見せ、表情に応じた脳波パターンを測定する。次に、映像の男性(または女性)がランダムに表情を変え始める。ある時は激しい怒りの表情へと、またある時は悲しみにあふれた表情などへと変化する。これらの表情の変化を見た鑑賞者の脳波パターンが先の脳波パターンと一致した場合その映像を継続し、一致しなかった場合は別の表情を見せる。こうして得られた鑑賞者の脳波データを検証し、脳波測定による情動計測の可能性を模索した。 次に、プロジェクト《rendez-vous》たのめの予備実験を行った。プロジェクト《rendez-vous》は、LED照明による光の変化を二名の参加者が同時に鑑賞し、両者の脳波の変化が光の変化へとインタラクティヴに関係するメディアアート作品プロジェクトである。予備実験においては、色の種類と脳波パターンの関係性、色の変化のリズムと脳波パターンの関係性などを検証し、光による情動誘発の可能性や脳波による情動計測の可能性を探った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
鑑賞者の情動計測の精度を高めるために、予備的な作品《E-motion》の制作・展示を行ったが、検証の結果、一定の感触を得ることができたものの、目標としていた精度にまでは至っていない。この問題を解決すべく、実績のあるIAPSを用いた脳波測定による情動計測実験を行い、その結果ふまえて最終的に目標とする光刺激と情動の関係を探るプロジェクトへの適用を試みたが、検証の結果、光の刺激による主観的な情動と脳波計測による結果は必ずしも一致しなかった。明確に快・不快が表現されたIAPSの写真素材とは違い、光の刺激は曖昧であり強い相関関係を見いだすことは困難であったと推測している。 引き続きプロジェクト《rendez-vous》(仮題)に向けての予備的な実験と検証を行っているが、依然予備的な実験の段階であり最終目的としている作品の制作にまでは至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きプロジェクト《rendez-vous》(仮題)に向けての予備的な実験と検証を継続するが、脳波測定装置を用いて直接的に情動を計測することは極めて難易度が高いことから、この方向で実験を進めることは一旦保留することとした。代わって脳波における周波数帯域をターゲットとし、仮にα波を快の状態であると仮定して実験を行うこととした。 すでに単色の光刺激において、変化のリズムと脳波の周波数帯域に相関関係が見られることが判明しており、今後はこの結果をふまえて二名の鑑賞者(二色の表示)へと実験を展開し検証を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度において目標としていた作品の制作・展示に至らず、予備的な実験を継続していたため。 目標としていた作品の制作・展示を次年度中に行う。
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Research Products
(2 results)