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2013 Fiscal Year Research-status Report

英国ルネサンス期ペジェントリーと商業劇団の興隆 ー劇場舞台の衣装・演出への影響ー

Research Project

Project/Area Number 24520313
Research InstitutionTokyo University of Science

Principal Investigator

小林 酉子  東京理科大学, 理工学部, 教授 (60277283)

Keywords英国ルネサンス演劇 / 宮廷饗宴 / 舞台衣装 / 巡幸 / ペジェントリー
Research Abstract

エリザベス朝は英国演劇史上の画期的な一時代であったが,実際の舞台の有りようについては解明されていない点が多い。本研究は,宮廷で上演された仮面劇・祝典等について,どのような衣装・演出であったかを歴史的に検証し,それらが民間劇団へどのような影響を与えたかを考察しながら,商業劇場での上演の実相を明らかにしようとするものである。
平成25年度は,君主が地方を巡幸する際に,宿泊先の貴族の館で繰り広げられた饗宴についての研究を行った。貴族は,俳優たちを雇い,演劇を多用した大がかりな宴を催したが,
それらの俳優たちの中には、後に商業劇団に移行した者もあり,演出や衣装の面で影響を与えたと考えられる。
8月上旬,英国で,エリザベス女王の巡幸先となった城館数件を訪れ,実見調査を行った。現在は、廃墟となっている館も含まれるが,当時の祝宴演出の規模が調査できた。
平成24年,25年の研究成果をもとに,論文「エドワード6世とメアリー女王の宮廷饗宴(1)」を東京理科大学紀要に発表し,本研究のテーマである英国ルネサンス期ペジェントリーについて,盛期に至る前の時代のペジェントリーを明らかにした。
また,The Renaissance Sosiety of America (アメリカルネサンス学会)において,'Image of Classical Characters and Its Transition in Early Modern England' の研究発表を行った。ギリシャ・ローマを舞台とした劇が,宮廷及び民間劇場でどのような衣装で演じられていたのか,宮廷饗宴から商業劇場への影響を検証した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成25年度は、Royal Pageantryのうち ,Progress (巡幸)を中心に研究を行う予定であり,計画に沿って、英国での実地調査を行った。英国東部の城館を中心に,Burghley House(女王主席顧問W.Cecilの居城,巡幸当時のままに現存),Holdenby House(大法官C.Hattonの居城,巡幸当時のままに現存),Kirby Hall(C.Hattonの居城,大ホールは当時のままに現存),Hatfield House(エリザベスが自らの戴冠を知った居城,当時のままに現存)で調査を実施できた。時間的制約から,Sudeley Castle(メアリー女王生誕地でエリザベス女王は3度巡幸,当時のままに現存)での調査は、次年度以降に先送りとなったが,実見調査・文献研究により,論文発表,口頭発表を行うことができた。

Strategy for Future Research Activity

平成26,27年度は Civic Pageantryの研究を行う。ロンドンでは,16世紀初頭からLord Mayor’s Show(市長就任式)やMidsummer Shows(夏至祭)のパレードが行われ,世紀半ばからはLord Mayor’s Showに集約された。市長は職業組合ギルドから選出され,母体の組合が就任パレードの中心組織となったため,衣装と調達の背景,演出の実態については,各ギルドの記録簿が一次資料となる。ギルド記録簿には,祝典に関する支払いや制作準備,俳優雇い入れの記載も含まれており,本研究では祝典演出・衣装関係記載を抽出する。各ギルド記録簿の他,研究書を参考に,Civic Pageantryの演出・衣装を視覚化復元し,商業劇団の関わり,劇場舞台への反映・影響をまとめるのが,26,27年の文献研究の計画である。
また,25年度に続いて,巡幸地の実見調査を行うが,25年度が英国東部を調査対象としたのに対し,26年度は、英国北・西部の城館を調査対象とする。
さらに,25年度に論文発表したエドワード6世・メアリー女王時代前半の宮廷饗宴の残り部分,同時代後半期について,研究成果を発表する予定である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成25年8月6日~13日に,25年度の計画通り,英国ロンドン郊外と東部において,Burleigh House, Kirby Hall, Holdenby, Hatfield等の城館で調査を行ったが,8月は大きく円安になり、海外旅費が予算を上回った。
また国内では,国際服飾学会,地中海学会が共に地方で開催されたため,国内旅費も研究計画より超過となった。
上記の理由に拠り、前倒し請求を行い,繰越が生じた。
本研究に使用する文献資料は,作品テクスト・演劇関係研究書の他,王室式典・巡幸に関する文献,ギルド関係書籍であるが,このうち,大型図書は既に入手済みである。また,エリザベス女王が巡幸で訪れた城館での実見調査のうち,ロンドンから遠方の地方での調査は25年度に終了した。
26年度は,残りの文献による研究と,ロンドンから比較的近い英国南西部・南東部の城館で調査を行う計画である。

  • Research Products

    (3 results)

All 2014 Other

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] エドワード6世,メアリー女王の宮廷饗宴(1) ─エドワード即位祝典からLord of Misruleパレードまで─2014

    • Author(s)
      小林酉子
    • Journal Title

      東京理科大学紀要(教養篇)

      Volume: 46 Pages: 157-173

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Image of Classical Characters and Its Transition in Early Modern England

    • Author(s)
      Yuko Kobayashi
    • Organizer
      The Renaissance Society of America
    • Place of Presentation
      Warwick New York
  • [Remarks] RIDAI

    • URL

      http://www.tus.ac.jp/ridai/doc/ji/RIJIA01.php

URL: 

Published: 2015-05-28  

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