2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24520336
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
ヘーゼルハウス ヘラト 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (40375382)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | フクシマ原発事故 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画で定めたように、第一に、2015年度の研究はトランスナショナルな理論移転の分析に重点を置いた。問題の一般的な地平を定めるために、いくつかの範例的な作品を選択し、トランスナショナルな移転における、諸概念や個々の翻訳要素の使用を調査した。本研究で第二に行われたのは、"DMDLA" においてスローターダイクが用いている、トランスナショナルな諸概念や理論、他言語的語彙の分析である。この分析によって、スローターダイクが概念や思考モデルを東洋哲学から単純に借用しているだけでなく、むしろインドのグルや仏教の指導者たちの議論や道教の教えにあるような学習・実践の東洋哲学的モデルと、"anthropotechnics"という西洋的理念との互換性に基づいて自らの論を構築している、ということが明らかになった。こうした西洋への東洋哲学モデルの輸入の分析と並行して、日本におけるスローターダイク思想の受容の条件、すなわち彼の哲学の日本への輸入を可能にするための条件もまた調査する必要がある。そのために、2015年度のゼミではスローダイクの著書 "DMDLA"についての授業を行い、日本人学生たちによるディスカッションを観察・分析した。 2015年には、3つの国際学会において本研究に関する発表を行った。ひとつは、5月にカナダで開催された学会で行った、本プロジェクトのこれまでの研究成果の報告である。残りの2つは、11月に行った、概念や理論のトランスナショナルな移転に関する発表である。さらに、日本の高等教育機関での外国語授業におけるトランスナショナルな理論移転に関する論文を発表し、それに続いて翻訳の諸問題と翻訳理論に関する(とりわけスピヴァクに重点を置いた)論文を執筆した(今年刊行予定)。
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Research Products
(4 results)