2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520449
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鄭 惠先 北海道大学, 留学生センター, 准教授 (40369856)
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Keywords | メディア言語 / ジャンル / 日韓・韓日翻訳 |
Research Abstract |
本研究は、日韓対照言語学的な視点から、日本と韓国の映像メディアを考察・分析し、その言語表現の特徴を体系的に記述することを目的としている。研究初年度である24年度は、「ジャンルによる言語的特徴」と「 翻訳時のズレ」に焦点を当て、両言語による映像メディアを考察した。その結果、「翻訳課程での意図的な改変プロセス」と「言語切換によるキャラクタの再構築 」という2つの傾向が明らかになった。 2年目の25年度においても引き続き、両言語による対訳データを精査し、翻訳を介した字幕・テロップ、吹き替えに見られる言語的なズレを明らかにし、起点言語が伝達者(翻訳者と映像メディア制作者)の意図によって操作される過程を実証してきた。その結果、目標言語の中で、語彙レベルの対応関係の等価と、受容者の反応にもとづく動的等価の間に調整が行われる様子を具現化して示すことができたと考える。 さらに、実際の映像メディアデータを通して、ジャンルごとの言語的な特徴を明らかにし、その背景にある制作者側の意図と、視聴者側の解釈を調査することで、「コミュニケーション効果」という観点から「映像メディア言語」の具体像を示すことができた。たとえば、バラエティ番組の文字テロップの役割と受け手に与える影響について、実際の映像メディアのコンテキストを通して整理することができる。引き続き、これまでの役割語研究の実績を生かして、コメディ番組などでキャラクタを生み出す言語・非言語表現を取りあげ、キャラクタ構築と強化の過程を明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画の時点で予定していた「映像メディアのコーパス構築」は、著作権の問題や技術的な障害など諸事情により断念し、初年度から非公開レベルでのデータ収集と分析にとどめる形で研究方法を修正している。 25年度は、その修正した研究方針にもとづいて、引き続きデータ収集と分析を進めてきており、あわせて前年度の研究発表の内容を論文としてまとめることに力を注いできた。26年度には、論文の公開を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は、まず、これまでに発表したデータ分析の結果を論文としてまとめる予定である。また、前年度に引き続き、両言語による映 像メディアのデータ分析と結果発表を続けていく。この段階で重要なのは、「映像メディアのジャ ンル別特徴」と、「翻訳上の問題 点」、「日本語と韓国語の言語構造や表現の違い」という3つの要素を有機的に関連づけて考察することである。とりわけ、24年度の 研究成果として明らかになった「翻訳課程での意図的な改変プロセス」と「言語切換によるキャラクタの再構築」という2つの傾向に 関連して、その理論的な裏付けを固める必要があると考えている。よって、日韓両言語の映像メディアのデータ分析をさらに進める一 方で、「翻訳学」や「コミュニケーション学」などの従来の研究理論を、よりクリティカルな視点に立って再検討することに力を注い でいく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
大雪の影響で、予定していた研究協力者との打合せ会が実現できなかったため。 今年度にあらためて日程を決めて打合せ会を行う予定。
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Research Products
(2 results)