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2013 Fiscal Year Research-status Report

認知言語学・用法基盤モデルから探る第一言語と第二言語における文法習得過程

Research Project

Project/Area Number 24520496
Research InstitutionYokohama National University

Principal Investigator

橋本 ゆかり  横浜国立大学, 教育人間科学部, 講師 (40508058)

Keywords第二言語習得 / 文法習得 / 認知言語学 / 用法基盤モデル / 固まり / 第一言語習得 / 幼児 / 子ども
Research Abstract

本研究は、認知言語学の用法基盤モデルの観点より、母語習得(L1)幼児・日本語を第二言語とする(L2)幼児・L2成人とトライアンギュレーションで比較し、領域固有の特徴と普遍的なメカニズムを明らかにする。橋本(2011等)では「ピボット・スキーマ」(Tomasello 2003)を援用した言語構造構築メカニズムの仮説(「スロット付きスキーマ合成仮説」(Composition of Schemas with Slots、以下、CSS仮説)を提案したため、当該仮説の妥当性を検証することになる。
平成25年度は、4つの大課題のうち課題2のL1幼児の研究を行う予定であったが、平成24年度のL2幼児の課題(課題1-1、1-2、1-3、課題4)、および平成26年度のL2成人に関する課題3について研究した。
課題1-1どのように日本語の文法が習得されていくのかを明らかにする。成果:動詞形態素の習得プロセスを分析し、CSS仮説の妥当性を確認した。課題1-2 文構造の複雑化に伴う習得の段階性を明らかにする。成果:疑問語を用いる否定表現、理由表現の習得プロセスを追究し、口頭発表及び論文化した。課題1-3類型論的に異なる言語を母語とする学習者はどのようなプロセスを辿るのかを明らかにする。成果:文法カテゴリーにおいて母語転移の可能性を指摘した。
課題3.L2成人の文法カテゴリーごとの習得プロセスの解明を行い、CSS仮説(橋本2008)の妥当性を検討する。加えて、L2幼児、L1幼児、L2成人といった3者間の共通性と差異を明確化する。成果:L2成人の可能表現の習得プロセスを明らかにし、L1及びL2幼児とは異なることを明らかにした。
課題4.言語獲得に必要な環境と方法を探る。成果:①保育園および小学校で参与観察し現状を把握した。②L2児童の抱える問題と環境を追究した。③教師の資質と教員養成のあり方を追究した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究成果を発表し、かつ論文化したが、次年度の研究課題についても研究を進めたことから、今年度計画していた課題をすべて終えることができなかった。

Strategy for Future Research Activity

計画していたいくつかの課題のうち、下記課題を行い、補完することで、最終年度の研究内容を充実させる。
課題1. L2幼児の研究-複雑な構造をどのように獲得していくのかを追究する。
課題2.L1幼児の研究-文法カテゴリーごとの習得プロセスの解明とCSS仮説(橋本2008,2011等)の妥当性の検討を行う。CSS仮説(橋本2008、2011)が、日本語のL1習得研究においても有効であるのかを綿密な調査を行い追究する。橋本(2008)においては、L1幼児の可能形習得過程を明らかにし、当該仮説の有効性を示している。他の文法カテゴリーについても、追究し、明らかにする。L1習得のデータを現場で採集することを検討中である。
課題3.L2成人の研究-文法カテゴリーごとの習得プロセスの解明とCSS仮説(橋本2008)の妥当性を検討する。L2幼児、L1幼児、L2成人といった3者間の共通性と差異を明確化する。L2成人について、コーパスを用いて、H25年度に可能形式について検討した。他の文法カテゴリー(テンス・アスペクト、否定形式、助詞)がどのように習得されているのか、そしてCSS仮説があてはまるのかについて検討し、共通性と差異を明らかにする。年齢、認知能力、環境、母語の影響など、どの要因に差異が起因するのかについて、課題1と課題2において得られた知見を参照しながら、精密に追究する。加えて、平成20年度に収集したL2成人のデータを分析する。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

以下の理由による。
1.海外での学会に参加することができなかったこと。
2.コーパス研究を行ったため、データ収集する必要がなくなったこと。
1.データ収集のための費用-データ収集協力者に対する謝金、文具等に使用する。2.文献購入費-本研究は、海外の習得研究の知見を踏まえたものであり、海外の最新の文献を入手しながら進める必要がある。特に海外の最新の図書は高額であることが多い。さらに、本研究は、発達心理学、言語学、認知言語学、心理言語学、教育学、社会言語学、保育など複数領域にまたがるため、豊富な知見に支えられており、広範囲に亘り文献を入手するのに使用する。3.情報収集と成果発表のための旅費-研究知見を知り、成果を発表するために学会参加費用に使用する。

  • Research Products

    (8 results)

All 2014 Other

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] 日本語を第二言語とする幼児の疑問語使用の否定表現の習得プロセス-用法基盤モデルのピボット・スキーマを援用して2014

    • Author(s)
      橋本ゆかり
    • Journal Title

      日本認知言語学会論文集

      Volume: 14 Pages: 印刷中

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 用法基盤モデルから見た幼児の第二言語としての理由表現の習得プロセス-インプットと母語に基づくスキーマの生成と相互作用2014

    • Author(s)
      橋本ゆかり
    • Journal Title

      認知言語学研究

      Volume: 創刊号 Pages: 編集中

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 日本語教育の教員養成課程における『現場力』の育成2014

    • Author(s)
      橋本ゆかり
    • Journal Title

      横浜国立大学教育人間科学部紀要

      Volume: 16 Pages: 99-114

  • [Presentation] 多文化教員に関する学部教員養成や現職研修のためのリソース2014

    • Author(s)
      河野俊之 浜田麻里 齋藤ひろみ 川口直巳 金田智子 橋本ゆかり 市瀬智紀
    • Organizer
      異文化間教育学会
    • Place of Presentation
      同志社女子大学
    • Year and Date
      2014-06-08
  • [Presentation] 日本語を第二言語とする幼児の疑問語使用の否定表現の習得プロセス-用法基盤モデルのピボット・スキーマを援用して

    • Author(s)
      橋本ゆかり
    • Organizer
      第14回日本認知言語学会大会
    • Place of Presentation
      京都外国語大学
  • [Presentation] 言語習得理論を研究の視点としたコーパス分析-第一、第二言語習得の幼児・成人の三者間の比較

    • Author(s)
      橋本ゆかり
    • Organizer
      第8回日本語実用言語学国際会議
    • Place of Presentation
      国立国語研究所
  • [Presentation] 多文化教員養成プログラムの立案を目指して-教員養成系大学における大規模アンケート調査と教育実践から考える-

    • Author(s)
      橋本ゆかり・市瀬智紀・上田崇仁・金田智子・川口直巳・河野俊之・齋藤ひろみ・浜田麻里
    • Organizer
      日本語教育学会春季大会
    • Place of Presentation
      立教大学
  • [Presentation] 『特別の教育課程』としての日本語指導を担う多文化教員の養成プログラム-教員養成課程と現職教員研修における実践の展開に向けて-

    • Author(s)
      浜田麻里・齋藤ひろみ・川口直巳・橋本ゆかり・金田智子
    • Organizer
      日本語教育学会秋季大会
    • Place of Presentation
      関西外国語大学

URL: 

Published: 2015-05-28  

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