2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24520498
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
沖 裕子 信州大学, 学術研究院人文科学系, 教授 (30214034)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 談話 / 依頼談話 / 対照研究 / 方言 / 終助詞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、1)談話記述のための方法論の開拓、2)日本語談話の記述、3)日本語談話の発想と表現に関する特徴の抽出、の3点にある。これに関わる本年度実績は、以下のとおりである。 (1)昨年度のソウル会議に続き、本年度は、海外共同研究者、連携研究者とともにハルビン会議(2015年8月28日~8月31日)を持った。成果発表も兼ねて8月29日に代表者が行った学会基調講演「異文化理解と日本語教育:日中依頼談話の異同」について、意見交換を行った。 (2)依頼談話の日中対照研究をもとに、日韓対照を行う方法についても、検討を進めた。 (3)談話の発想と表現法を支える言語的要因に、文法がある。日本語談話においては、文を成立させる終助詞のありかたが、談話表現を左右していく側面が認められる。終助詞は、話し言葉に現われることから、共通語のみを対象としていたのでは、観察が十分であるとはいえない。そこで、代表者の母方言である長野県松本方言を例に、内省資料を用いながら、終助詞の体系と談話表現の関係を調べるために、基礎的な体系研究を行った。その成果を、沖裕子(2015)「松本方言終助詞の文法体系―談話研究の基礎―」『信州大学人文科学論集』(第2号)にまとめた。
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Research Products
(5 results)