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2013 Fiscal Year Research-status Report

程度修飾とアスペクト現象についてのスケール意味論的研究

Research Project

Project/Area Number 24520507
Research InstitutionSeitoku University

Principal Investigator

北原 博雄  聖徳大学, 文学部, 准教授 (00337776)

Keywordsスケール(scale) / 程度副詞 / アスペクト / 段階性(gradability) / 数量詞
Research Abstract

数量詞は、「{2冊の本を/本2冊を/本を2冊} 読む」のようにいろいろな位置に現れるが、この中で「本を2冊」のような位置に現れる数量詞を副詞的数量詞と言う。次に示すように、量/程度副詞と呼ぶ「かなり」「少し」のような程度副詞は修飾対象の文法カテゴリが多様であるが、副詞的数量詞も同様である。
(1) {かなり/2m} 大きい/右に/離れて/走った/…
そこで、平成25年度は、副詞的数量詞について研究を行った。程度副詞と同様に、数量詞を程度を表すものとして一括する研究もある。
例えば数量詞「2冊」「100ページ」は、それぞれ数詞「2」「100」と、助数詞「冊」「ページ」から成る。助数詞は、「冊」「ページ」は冊子という意味特徴を持つ名詞を計量するというように、先行詞と一致する。しかし、「太郎が2km走る」の「2km」のように先行詞をとらない数量詞もある。
先行詞をとる数量詞は、個体数量詞と内容数量詞に分けられる。前者は「本を2冊読む」の「2冊」のように先行詞を個別的に計量するものであり、後者は「本を100ページ読む」の「100ページ」のように先行詞をひとまとまりとして計量するものである。報告者のこれまでの研究で、(動的)動詞と共起する副詞的数量詞の先行詞は、個体数量詞の場合は外項(主格句)と内項(対格句)が可能だが、内容数量詞の場合は内項のみであることがわかっている。本年度の研究で、このような違いは、(動的)動詞を修飾する内容数量詞はアスペクト限定するのが基本であるが、個体数量詞はそうでなくてもいいことから説明されることを明らかにした。さらに、副詞的数量詞の中で真に副詞として機能しているものだけがアスペクト限定することも明らかにした。以上の内容を、近日中に学術論文として公刊する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

当初の研究計画にない、副詞的数量詞の研究を行ったため。

Strategy for Future Research Activity

まず、平成25年度の研究成果に基づき、副詞的数量詞と量/程度副詞との比較を行う。
次に、「かなり {学者になった/*学者になってきた}」のような適格性の違いについて考える。この種の例は、「した」と「してきた」のような文法的アスペクト表現もスケール構造から説明できる可能性があることを示す。
最後に、スケール構造に基づいて程度修飾を説明するために、動詞のrootのスケール構造から、動詞の(非)限界性((a)telicity)などのアスペクチュアルな性質が導かれることを明らかにする。
以上の研究は海外で進んでいる。したがって、海外での研究成果を利用するために洋書、洋雑誌などの購入が必要である。さらに、国内外の学会、研究会で口頭発表し、学術論文にまとめる。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

購入予定の洋書が、年度内に刊行されなかったため。
購入予定の洋書を刊行され次第、購入する。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 量修飾の可能性と、被修飾句のスケール構造の違いに基づいた、現代日本語の程度副詞の分類2013

    • Author(s)
      北原 博雄
    • Journal Title

      国語学研究

      Volume: 52 Pages: 29-43

    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2015-05-28  

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