2013 Fiscal Year Research-status Report
現代における和語名詞の表記の実態とその背景に関する調査研究
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24520511
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
笹原 宏之 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80269505)
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Keywords | やまとことば / 表記のゆれ / メディア / 漢字 / 名詞 |
Research Abstract |
日本語における和語の名詞を中心に据え、新聞を初めとする各種の情報媒体に対する用例の採取調査を継続して行い、現状について明らかにした。前年度に収集した各種メディアにおける現実の使用例と合わせて、特に細かな分析を要すると判断された表記例を抽出し、それらに対しさらに各種メディアから関連する使用例を追加して検討を加えた。また、辞書・用字集の類に対する分析も実施し、相互比較を行った。 和語表記の揺れの現実とその原因については、きわめて多くの要素が関連しており、さらにその要素は多様な複合を起こしているものであることが予測された。そうした和語表記を動かす現実の諸条件に関して、その実例に対し、当該メディアの定めた表記規則、読み取りやすさへの配慮、筆記機材による物理的な制約条件、表記の産出時における生理的な制約条件など、その表記のなされた背景にある諸要素を、種々の面から分析、考察を行った。それにより採取例に対して分類を施し、表記形をもたらす各種の原因について探究を行った。既に行った関連しうる調査や試行的な調査の結果(『国字の位相と展開』や『当て字・当て読み漢字表現辞典』ほかに公表)からも情報を適宜抽出し、比較対象などとして利用した。 それと同時に、国立国語研究所の作成した先行研究や資料などの成果も必要に応じて参照しながら、現代における年代やメディアにおける和語表記の変化と変異の傾向を明らかにするため、分析と記述を実施した。 また、文字使用・選択時における意識や読み取り時に感じ取られている効果などを捕捉するために、一般の文字使用者へのアンケートや意見聴取、専門家への聞き取り調査も実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画のとおりに調査研究を実施できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に沿って、最終年度に向けて研究を順調に推進させていく。
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