2013 Fiscal Year Research-status Report
インタラクションのIRF構造による英語授業、教員養成・研修プログラムの調査分析
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24520606
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
渡辺 浩行 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (40275805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
太田 洋 駒沢女子大学, 人文学部, 教授 (30409825)
本田 勝久 千葉大学, 教育学部, 准教授 (60362745)
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Keywords | 授業分析 / 授業実践 / 教員養成 / 教員研修 / インタラクション / D-IRF / MERRIER Approach / IDS |
Research Abstract |
本研究では次の①~③を明らかにする。①授業実践でのE-IRFおよびD-IRFの有効性、限界、課題。②既存の教員養成・研修プログラムでのE-IRFとD-IRF の比重。③①、②の結果を踏まえた授業実践、養成プログラム、研修プログラムの改善。 上記①では、D-IRF活動の方が英語コミュニケーションの素地、基礎を培うことを平成25年度は明らかにした。平成26年度は、文科省モデル授業DVD(小中高合わせて約20の授業、活動)を、インプットを理解可能にするMERRIER Approach(MA)の7要素とインタラクションを継続させるD-IRFの8要素で分析し、その結果、授業・活動によりかなり差があると同時に、15要素が十分にあるものは少ないことがわかった。また、IDS(Infant Directed Speech)の諸特性を持った授業は、そうでない授業よりもコミュニケーションや言語習得にとって好ましい児童の態度を引き出すことも判明した。 上記②の養成ついては、国内外の効果的プログラムを検証し、先駆的取り組みをなす海外の大学を視察した。特に小学校英語教科化の台湾(台北教育大学)の教員養成視察では、IRF構造がどのように取り組んでいるかを協議した。国内教員養成では、大学生にE-IRF・D-IRF活動の視聴を振り返らせ、省察的能力を育成し、教員に必要な総合的力量を培い、教育実践力を向上させるプログラムを模索した。 上記②の研修に関しては、前記の両活動を用いて授業内容に的を絞った研修を実施した。児童生徒が両活動をどう受け止めたかと両活動のビデオの視聴で、小中高研修受講者は各自の授業を振り返り、改善点を探るきっかけになった。第二言語習得研究者、教育学研究者、教員養成・研修の研究者らと具体的な授業内容(E-IRF・D-IRF活動など)を取り込んだ研修の在り方について議論を重ねた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「授業実践」「教員養成」「教員研修」の改善の核となる授業分析がかなり捗ってきた。授業分析をインタラクションのIRF構造の有無によってするだけはなく、より具体的にインプットを理解可能にする7要素とインタラクション継続させる8要素で分析することが有効であること、さらには児童の好ましい態度を導き出すIDSの要素(高いピッチ、幅のあるピッチ、豊かな抑揚や感情表現、前記の15要素など)による分析も有意義なことが判明した。それを踏まえた「授業実践」「教員養成」「教員研修」の改善を探ることが最終年度の課題となってくる。
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Strategy for Future Research Activity |
すでに触れた、MAの要素、D-IRFの要素で授業(学習者、教師、活動)を分析することはもとより、さらに広くteacher-student(s) interaction とteacher-student(s) adjustments を分析し、できれば student(s)-student(s) interactionとstudent(s)-student(s) adjustmentも分析していきたい。その結果を拠り所としつつ、「実践」「養成」「研修」の要となるところを明らかにし、3年間の研究のまとめとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度への活動、研究費として繰り越した方がよいため。 旅費、謝金として使用予定。
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