2012 Fiscal Year Research-status Report
イタリアのCLILによる初等英語教育事例調査研究と日本への応用
Project/Area Number |
24520616
|
Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
中村 秩祥子 滋賀大学, 教育学部, 特任講師 (00588022)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | CLIL / イタリアCLIL教育 / 英語教育 |
Research Abstract |
イタリアで行われている英語によるCLIL(Content and Language Integrated Leraning:内容言語統合型学習)について研究調査を行い、それについて口頭発表を行って、CLIL及びイタリアのCLIL授業の実例を紹介した。日本ではまだ広く認知されていないが、ヨーロッパ諸国では推進されているCLIL授業の具体例を紹介することができた。 まず、はじめに日本で収集できるCLILに関する資料を集めることと、E-mailを介してイタリアの教育者や研究者からイタリアで行われているCLILに関する論文を送信してもらうことで資料を入手した。そして、それらを読んでまとめていった。これらの研究成果を第48回英語英米文学会片平会夏期研究会(2012年8月5日)にて、口頭発表をした。 さらに、最新のイタリアのCLIL実践例や研究について情報を収集するため、第37回TESOL-Italy全国大会(2012年11月16日から17日ローマにて開催)に参加して関連の研究発表を聞いて情報収集を行った。同時にイタリアの国内で販売されているCLIL教科書も入手した。これらの情報を持ち帰り、情報整理を行い、かつCLIL教科書の内容分析を行った。 2月に、実際に行われているイタリアの授業見学をした。授業見学先は、Rio Crosio小学校(在Asti)とAugusto Monti高校(在Asti)である。英語の授業とCLIL授業の見学をし、担当教員にインタビューをした。また、CLIL教員養成コースを始めたCa'Foscari Venezia大学の担当教授とイタリアの英語教員養成に詳しいTurin大学の担当教授にも会って話を聞くことができた。 2月にイタリアで得た情報や実際の授業方法について、滋賀大学教育学部「教科教育の会」(2013年3月21日)にて口頭発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目的として掲げたイタリアの初等教育で行われている英語によるCLIL(Content and Language Integrated Leraning:内容言語統合型学習)授業の実態調査研究を行うという目的を実際にイタリアの小学校に行って授業見学をすることで果たすことができた。 さらに、イタリアの高校のCLIL授業の見学も行うことができ、CLIL教員養成コースを担当している大学教員と会って話を聞くこともできた。イタリアの小学校、高校の現場の教員と大学の教員と話をして、イタリアのCLIL授業に関する長所や問題点などについて聞くこともできた。 イタリアでの授業実例を録画して、日本の大学教員に紹介して、いろいろ日本への応用の可能性の検討や問題点などについて話し合うこともできた。 また、CLILそのものについての歴史や概念を論文や本などの文献で理解を深めることができた。 以上のことから、研究目的に関して順調に達成できているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回、イタリアのCLIL授業見学を行うことができたが、それは小学校、高校各2回の授業であり、一部である。また、各1校の事例を見学したのみなので、もっと多くの授業例を見学したり、担当教員から話を聞いていく必要がある。これは、実際に授業見学をさせてもらうことと、イタリアの教員にe-mailなどで聞き取り調査をしていくことで進めていく。 イタリアの大学でのCLIL教員養成コースも昨年度より始まったばかりなので、その内容と経過についても担当教授と連絡をとって詳しく調べていく。可能であれば、実際の研修の様子なども見学できないか交渉してみる。 イタリアのCLILの教科書の内容分析も行っていく。 主として、以上の3点についてイタリアでのCLIL教育法について研究調査を進めるとともに、研究調査成果を口頭発表や論文にまとめて公表していく。 さらに、日本でCLIL授業法を取り入れることができないか、現場の教員とともに検討していく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
CLILに関する文献をさらに収集するので、その書籍等の購入費とイタリアのCLIL授業見学のための旅費と記録のための物品費、CLILについての情報収集のためにイタリアで開催されるTESOL-Italyの学会参加費及び旅費、また収集した情報をまとめて公表するための研究発表のための費用(準備と旅費)と論文にまとめて出版するための印刷代が必要となる。
|
Research Products
(3 results)