2012 Fiscal Year Research-status Report
高等学校外国語科における活用型学習を通した思考力,判断力,表現力の指導と評価
Project/Area Number |
24520620
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hyogo University of Teacher Education |
Principal Investigator |
今井 裕之 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (80247759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 達弘 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (10240293)
柳瀬 陽介 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70239820)
松井 かおり 朝日大学, 経営学部, 講師 (70421237)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 活用型学習 / 表現力育成 / 国際研究者交流 アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
平成24年度の成果は,高等学校外国語科の授業改善研究を重ねたことである。研究協力者の高等学校を訪問し,「活用型学習」「技能統合型学習」の授業実践を繰り返し行った。文部科学省の研究開発指定校(兵庫県加古川西高等学校,岡山県城東高等学校,操山高等学校,和歌山県田辺高等学校,徳島県徳島北高等学校)での,授業改善研究を通して,特に「コミュニケーション英語」を想定しての授業改善については,思考力を表現力に結びつけるために必要な授業展開のあり方について,研究協力者と一定の合意を得ることができた。 研究計画のもうひとつの焦点であった「パフォーマンス評価」については,複数の学校で実施することができた。ただし,研究代表者が直接関わる学校で限定的に行うに留まっている。一方,パフォーマンス評価を補う手段のひとつとして,ポートフォリオ評価を採用する検討をはじめた点も,評価の研究の成果のひとつと言える。香川県坂出高等学校の実践がきっかけとなり,学生が自分自身の学習履歴,学習成果を自覚し,意義づけることを支援する方法を模索している。 計画実施が不十分であった点として「英語表現」を想定した授業改善の方向性の検討と,実践事例のデジタル化であるが,これは引き続き来年度の課題としたい。「英語表現」の授業を学校のカリキュラム上,活用型学習と位置づけることが難しく,ライティングの授業改善,評価実践については不十分な結果となった。なお,研究成果の発表については,現在までのところ行っていないが,必要な研究資料や実践データの収集は進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績概要の欄でも述べたが,研究進行が遅れているのは,「英語表現」を想定しての授業実践研究であり,いまだ改善の方向性が見えていない点と,授業実践の成果をデジタル化して共有するに至っていない点である。これらの原因については,「コミュニケーション英語」を想定しての授業研究に時間を費やしたこと,デジタル化については,授業資料の共有の方法と技術的な問題が大きい。どうすれば,直接授業を観ることなしに,有効な情報共有を図ることができるか,具体的な煮詰めができていなかったことが原因である。なお,研究代表者が高等学校を訪問するために必要と考えていた研究旅費は,協力者の多くが文科省の研究開発学校に勤務しており,代表者が各校の運営指導を行っていたため,使用することがなかった点を備考として申し添えたい。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度から,新学習指導要領実施がはじまり,「コミュニケーション英語1」と「英語表現1」の授業が行われる。教科書が新しくなり,授業の展開にも新しい要素が入ってきているので,24年度の授業改善研究で明らかになってきた「思考力」の引き出し方と「表現力」への接続の仕方について,コミュニケーション英語の授業において,実践し,記録していく。これには,授業者(協力者)と研究者の協同が不可欠であるが,24年度の経験の蓄積から,25年度においても問題ないと思われる。 パフォーマンス評価,ポートフォリオ評価の実施については,できるだけ計画通り実施したいが,初回の実施は当初計画の7月よりも遅くなる可能性,もしくは小規模実施に留める可能性もある。その研究成果の発表も,今年度中に1度行う予定をすでに立てている。 実践資料と記録のデジタル化,共有については,研究分担者3名と方策を検討し,今年度中に具体化する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の研究費使用計画としては,研究分担者,協力者らとの学会発表にかかる研究旅費(8月),研究代表者,分担者による高等学校訪問旅費,授業資料の収集,デジタル化に係る機材等費用を主な用途としたい。今年度が学習指導要領実施の初年度であるため,特に授業記録の収集には力をいれたいため,旅費と物品費の支出が必要となる。これまでの研究成果をもとに,年度末には海外の学会で研究発表をする予定であり,その意味でも旅費の支出が増える可能性が高い。
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