2013 Fiscal Year Research-status Report
高等学校外国語科における活用型学習を通した思考力,判断力,表現力の指導と評価
Project/Area Number |
24520620
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
今井 裕之 関西大学, 外国語学部, 教授 (80247759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 達弘 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (10240293)
柳瀬 陽介 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70239820)
松井 かおり 朝日大学, 経営学部, 講師 (70421237)
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Keywords | 活用形学習 / task based instruction / secondary school / cooperative learning / sociocultural approach |
Research Abstract |
平成25年度は,学習指導要領実施初年度であることから,新科目の授業支援を通して高等学校教員との研究開発を行った。和歌山県,滋賀県,兵庫県,岡山県,徳島県の高等学校で授業改善研究を行い指導法評価法の共有を図った。思考判断表現力を養う活用型授業を促進するためには,適切な評価方法の開発が不可欠であるため,スピーキング(一部ライティング)のパフォーマンス評価の原理と方法の普及を図った。学校ごとに到達目標,授業実践内容が異なるため,評価方法の統一は図れなかったが,各学校の事例を収集し,実践可能な評価方法と問題点を精査することはできた。一部の学校では,Can-doリストに基づくパフォーマンス評価を実施することができ,今後データ分析する予定である。 これらの研究成果に加え,並行実施中の小学校外国語活動の授業研究の成果を踏まえ,日本の英語教育における内容重視の言語教授法の浸透と課題について社会文化的アプローチの観点から検討結果をまとめ,TESOL 2014 International Conventionでのコロキアム 「Challenges of task parameters when preparing teachers for TBLT」において発表「A sociocultural approach to task-based language teaching in primary and secondary EFL classrooms in Japan」した。コロキアムでは,コロンビア,ドイツ,ベトナム,中国の事例も発表され,言語活動(タスク)中心の言語教授法の課題を議論した。「言語活動」の定義と変数(多様性を許容する要因)が提案され,一定の共通理解を得たことは,本プロジェクトにとって大きな成果であった。また教師支援の方法について,各国の事例を知ることができ参考になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度には,成果の一部を国際学会で発表することができた。当初国際学会での発表は平成26年度(最終年度)を予定していたことから進捗は順調といえる。ただし,成果の還元は学校教育現場に向けることが本研究全体の成否に関わる課題であり,26年度の研究の取り組みがより重要であるため,達成度については「おおむね順調」に留める。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画では,国際学会での発表を26年度(最終年度)に計画していたが,25年度末に達成したので,26年度は,論文の発表,高等学校(中学校も)での研修会の開催,教材開発等を通して,研究成果の学校現場での一層の具体化,共有化を図り,その成果を報告書にまとめたいと考えている。 TESOLの学会発表で得ることができた知見,情報,本研究へのフィードバックを踏まえて,昨年度までの実践研究成果へのフィードバックと今後の課題をまとめ,高等学校教員の方々との共有をまず図りたい。特にTESOL2014での発表を通して知ることができた,内容重視の言語教授法の外国での実践状況や教師支援の方法に関しては,今後さらに調査を深め,授業実践者との共有,自身の学校支援の方法に活用していきたい。なかでも,ドイツの事例として発表された,教育委員会等の組織主導型ではない,研究者と教員との共同による授業改善は興味深く,先方も日本の事例に関心を示されたことから,相互研究交流の可能性を探る予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
25年度末(3/25-3/31)に,アメリカでの国際学会に参加し発表を行ったため,一部(大会参加費など)の支払い証明が年度をまたいでしまったこと。また予定していたデータ処理が26年度にずれ込んだことによる人件費支出が遅れていること。 25年度支出予定していた項目(人件費,学会参加費)については,26年度8月の学会参加・発表時等で支出予定。人件費についてもデータ分析の際に使用します。26年度請求金額については予定通り使用します。当初8月に国際学会(オーストラリア)に参加する予定でしたが,27年3月に別の国際学会(カナダ)で発表する予定です。学会は異なりますが,研究計画は滞りなくすすめます。
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