2015 Fiscal Year Annual Research Report
高等学校外国語科における活用型学習を通した思考力,判断力,表現力の指導と評価
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24520620
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
今井 裕之 関西大学, 外国語学部, 教授 (80247759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 達弘 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 教授 (10240293)
柳瀬 陽介 広島大学, 教育学研究科, 教授 (70239820)
松井 かおり 朝日大学, 経営学部, 准教授 (70421237)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | パフォーマンス評価 / 即興性、創造性 / 小学校外国語活動の活用 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度は、8月に全国英語教育学会のシンポジウムにおいて、スピーキング能力に特化した、活用型学習の成果評価の方法としてのパフォーマンス評価のありかたを提案し研究総括を行った。具体的には、外部試験による4技能評価の導入の意義を評価をしながらも、授業指導を行う教員が、評価基準を内在化し、それを学習者と共有し評価と指導に反映させなければ、本質的な学力の伸長は望めず、外部試験への対策指導に終始する悪い意味での波及効果をまねきかねないと述べた。その上で、本科研の研究成果に基づき、即興性と創造性を養い「英語力」だけの評価ではなく、スピーキングパフォーマンスを評価する方法を具体的に提案した。 中高等学校での活用型学習の導入、促進、改善を図るにあたり、そのモデルとなる実践例として、小学校における言語活動事例の収集分析も行ってきたが、その研究成果について、28年1月に大韓民国のKorea Association for Priamary English Educationに於いて招待講演を行った。講演では、小学校学習指導要領の「コミュニケーションの働き」を基礎とした言語活動について、その着想、計画、施行、省察により、即興的で、創造的な言語活動を促す日本の学校英語教育の現状と展望について議論を行った。講演中、象徴的だったのは、Hi, Friends! plusで使用されている、ブタが象を追いかける様子と、象がブタを追いかける様子を合わせた絵を使った教材(語順指導をリスニングを通して行う)を提示し「この教材の指導目的は何だと思うか」と尋ねたところ、韓国の小学校教員は「受動態の指導」と答えた事だった。韓国の指導内容が、日本に比べ相当先行し、積極的な文法指導が行なわれていることが実感した。韓国の小中学校の授業観察も行い、小学校指導をもとに中学校以降では、創造的なタスクも積極的に実施されていた。
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