2012 Fiscal Year Research-status Report
LMSの連合を中心としたネットワーク支援外国語協働学習の実践に関する発展的研究
Project/Area Number |
24520632
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Maebashi Institute of Technology |
Principal Investigator |
原島 秀人 前橋工科大学, 工学部, 准教授 (30238175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 明延 首都大学東京, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (10234155)
佐藤 慎一 日本福祉大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (10410763)
山内 真理 千葉商科大学, 商経学部, 准教授 (40411863)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Moodle / LMS / 恊働学習 / ネットワーキング / M-net |
Research Abstract |
今年度の研究の遂行にあたっては困難な状況が発生した.中心となるLMSであるMoodleがバージョン1.9から2.0に大きくバージョンアップした為に,LMSを連携させる仕組みである,Moodle Networking (M-net)を実現することが技術的に困難になったことである.LMS連携を如何に実現して行けば良いかを手探りする日々となった.試行錯誤を繰り返して行く中で,年度末近くになって,ネットワークの専門家にアドバイスを乞うことができ,M-netを復活させることに光明を見い出しつつある. 困難に直面しながらも,M-netに頼らずに行った交流・恊働学習活動研究を報告する.まず山内が中国の学生と日本の学生との間でMoodleフォーラムを利用した交流活動を行い,LMSに比べ容易に利用できると思われたブログ利用の交流も,中国が相手となった場合は逆にLMSの方が使いやすいことがあることを発見した.また,交流フォーラムと授業内討論という形のブレンディッドラーニングの効果の検証も行った.Nanogongという音声録音プラグインとの連携は技術的にうまく機能しなかった. 神田はLMSの利用に関して日本の大学生がより使いやすいデバイスである携帯電話(feature phone)と親和性の高いCMSについて、授業実践で活用してその成果と課題を研究した.そこにはこれまで本研究で扱ってきたLMSであるMoodleの機能との比較を含み、それぞれの用途に応じた使い方が明らかになった。 佐藤はプロジェクト型学習(PBL)時の、学生によるFacebookの利用実態についての調査を行った。 原島はM-netの後継としてのLTIの仕組みと可能性について,また オープンIDなどの認証システムについて基礎的な調査を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度の研究の遂行にあたっては大きな困難に見舞われた.まず,中心となるLMSであるMoodleがバージョン1.9から2.0にバージョンアップし,年度内に2.4まで立て続けにバージョンアップが起こったことである.1.9から2.0へのバージョンアップではコアプログラムが根本的に書き換えられ,1.9で使用できていた活動モジュールやリソースの一部が継続して使用できないという問題を引き起こした.LMSを連携させる仕組みである,Moodle Networking (M-net)はとりわけ複雑なネットワークシンクロ技術と暗号化技術が絡み合い,且つ微妙な調整を要するものであるが,バージョンアップの余波のなかで,各研究者が以前のようにスムーズにネットワークで結ばれることがテクニカルな理由で困難になった. 二つ目の困難点は,Moodle本部がM-netサポートの停止宣言をしたことである.現在はセキュリティー面のみのサポートが継続されているが,トラブルなどのサポートは期待できない状況である. そんな状況の中で,LMS連携を如何に実現して行けば良いかを手探りする日々となった.試行錯誤を繰り返して行く中で,年度末近くになって,ネットワークの専門家にアドバイスを乞うことができ,M-netを復活させることに光明を見い出しつつある.しかしながら,まだMoodleをMaharaなどのe-ポートフォリオと完全にシンクロさせるところにはまだ困難が残る.教師はネットワークに入っていけるが,学習者は入って行けない,などの問題が出ている.BBBというバーチャルクラスルームシステムや,Nanogongなどの音声録音プラグインなどとのシンクロも成功しない部分がある. 従って,目的達成度としては低迷していると言わざるを得ない.今後は技術的な面を如何に克服して行けるかが焦点となる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は新たにもう一人の研究分担者トム・ローソン先生(長崎県立大学)を研究チームに加え研究を発展させる予定である.ローソン氏はソフトウェアエンジニアのバックグラウンドを持ち,ネットワーク技術に明るく,Moodleのバージョンアップに伴う問題解決についても学会発表を行っている.また,Moodle上で動作するバーチャルクラスルームシステムであるPoodLLの開発にも携わって来た経験を持つ.彼の加入によって,今年度苦しんで来たMoodleバージョンの違いとネットワーキングに関する技術的な問題が解決される予定である. 研究内容としては,初頭から各研究者のMoodleバージョンが確定してくるので,それらの間でMoodle Networkingを確立させることが第一歩となる.その上で,大学間交流活動を行って行く.フォーラムや外部ブログと連携し,Moodleハブサーバを中心にそれらのツール上の発言をまとめ,異なるツールを利用した発言がどのように集合的に議論として展開され得るかを実験する.またリソースの共有もテーマであるが,昨今LTI (Learning Tool Interoperability)の研究が進んでいる.このLTIとM-net を組み合わせることにより,ネットワークサーバ上のクイズなどの結果をリモート端末に返すという試みに取り組む予定である.更にそのような学習リソースがMoodleコースとしてまとまれば, MAJ Course Sharing Hubを利用してそのコースを全国の教育者や学習者と共有するという試みに参加したい. 最後にe-ポートフォリオであるMaharaとMoodleを連携するMahoodle の取り組みに踏み込み,学習成果蓄積についての研究を進めたい.さらにPoodLLをMoodleと組み合わせ,同期・非同期のオンライン学習のブレンディング効果を研究する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(16 results)