2013 Fiscal Year Research-status Report
欧州言語共通参照枠に準拠した英語プレイスメントテストの開発
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24520646
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中村 優治 慶應義塾大学, 文学部, 教授 (40249074)
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Keywords | プレイスメントテスト / CEFR / 読解力 / 語彙 / 文法 |
Research Abstract |
本研究はCEFR(欧州言語共通参照枠)に準拠した英語プレイスメントテストの開発を行い、その相乗効果により教育、測定、学習の向上を目指すことを目的とする。テスト開発は循環作業であるという基本的立場から、テスティングの手順を構想→開発→実施→検証→再開発と考え、テストの開発サイクルを通してテストの質を徹底的に検証しテストの妥当性を追求しようとするものである。英語学力には読解力は不可欠であるが、この能力向上を第一目標として、テスト開発を行い、それをもとにした能力別クラス編成に基づくカリキュラム開発も同時にすすめ、学生のみならず教員も実りある英語の授業が展開できるようにすることが目的である。 これまでの蓄積された延べ500項目の中から厳選された最適テスト項目をもとに4セット分のテストを作成し、実施・分析・修正・実施・分析の循環(テスティングサイクル)を行った。これらの項目に対してテストの等化が行われ、学生の能力の正確な測定のみならず読解力の経年変化に関しても精度の高い分析をおこないつつ、テストの下位項目の一部である、語彙、文法の分野においてレベル別の記述とCEFRの基準比較を行った。 学生の読解能力の変化は良好で、それぞれの年度の教育効果が表れているものとおもわれる。文法は伝統的8品詞を中心に分類し、語彙はJACET8000の分類表に従い、それらをCEFRの基準と照らし合わせながら分析を行った結果、共通点および類似点が明らかになった部分が今後の英語教育に活用できると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
語彙(JACET8000の分類表に従う)のCEFR区分に加えて、文法のレベル別の記述とCEFRの基準比較を行い、文法は8品詞を中心に分類し、テスト結果の診断テストとしての使用(プレイスメントテストから診断テストへ)を目標にCan―do list作成へ着手したが、CEFRの評価参照基準(Level A1 からLevel C2)とKEPT(プレイスメントテスト)とのより具体的な対応記述がまだ不十分であると考えられる。各レベルの具体的事例、文例、などを追加することが肝要であろう。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目には、前年度の積み残しである、語彙、文法における文例などの記述を充実させるとともに、学生に配布する個票のテスト下位項目別プロファイルとCEFRの基準比較を行う。そこで特に読解力測定部分の詳細な分析、検討を行う。読解問題のジャンル、各設問の測定能力分野、読解力と他の下位項目との相関、読解力と英語力との関係など細かく分析、調査を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品が予定より安く購入できたために、若干残金が生じた次年度繰り越しとなった。 テスト作成が循環であるという前提で、読解力テスト項目充実のための国内外の図書を引き続き購入予定。また、26年度特定の検討項目である読解などを中心とした教育測定・評価関係の国内外の図書購入し、この語彙・文法の分野に関しては専門的知識の提供も受ける予定でいる。成果発表を国内学会(KASELE,JALTなど)及び国際学会(AILAなど)で予定している。
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Research Products
(4 results)