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2013 Fiscal Year Research-status Report

中世山陰地域を中心とする棟札の研究

Research Project

Project/Area Number 24520751
Research InstitutionShimane University

Principal Investigator

長谷川 博史  島根大学, 教育学部, 教授 (20263642)

Keywords棟札 / 中世 / 山陰
Research Abstract

本研究は、地域に即した基本的・基礎的な情報が盛り込まれた一級史料であるにもかかわらず、これまで本格的な収集がなされていない中世山陰地域の棟札について、銘文に関わる文字情報を網羅することを一つの目的としている。具体的には、石見・出雲・隠岐・伯耆・因幡を中心とする棟札銘文の情報を、江戸時代以降にも下って検索・収集し、銘文の内容に関する情報の蓄積を図っている。
そのため、平成25 年度においては、〔1〕銘文の内容に関する情報の蓄積と、〔2〕原資料の確認と調査を行い、〔3〕棟札の史料としての特質や記載内容の特質に関する分析と総括を目指して、検討を行った。〔1〕銘文の内容に関する情報の蓄積については、平成24年度に収集した島根県立図書館所蔵の「島根県史編纂筆写史料」や「寺社史料」に含まれる棟札に関する文字情報の整理に最も多くの時間を費やした。情報量が予想していたものよりもはるかに多かったため、中世以前のものを中心に、おおむね17世紀以前の文字情報の整理を中心に作業を進めた。また、鳥取県内の自治体史等、刊行物にみられる中世の棟札の銘文について、情報を収集した。〔2〕原資料の確認と調査については、一部のみの実施にとどまったが、松江市内における棟札の実見や写真資料の検討を引き続き行った。昨年度にも明確化したところであるが、明治時代に記された情報の重要性に鑑みて、引き続き〔1〕を重点的に実施した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究には、〔1〕銘文の内容に関する情報の蓄積、〔2〕原資料の確認と調査(①調査方法の検討、②調査対象の選定、③調査の実施と結果の整理)、〔3〕棟札の史料としての特質や記載内容の特質に関する分析と総括という、3つの目的があるが、特に重視しているのは、〔1〕と〔3〕である。平成25年度は、〔1〕と〔2〕〔3〕の一部に取り組んだ。このうち〔1〕については、中世山陰地域の棟札銘文の情報を、江戸時代以降にも下って検索し、銘文の内容に関する情報の網羅的収集を図り、原資料以外のあらゆる文献等に写された情報を収集することが中心的な課題となっているが、未だにその全貌が明らかになっているわけではなく、最も多くの時間を要した。現時点では、石見・出雲・隠岐地域の17世紀以前の情報を収集・整理しており、今後順次拡大していく。当初の予定よりも〔1〕に比重を移していることは、情報量が想定よりも多いこと、その重要性が明確化されてきたことによる。作業内容が画一的・機械的なものではなく、棟札特有の情報整理の難しさがあるため、分担も容易でない。このことは、申請段階から想定していたことでもあり、また目的とするところに照らし、さらには本研究が最も重視している部分においては、おおむね順調に進展しているものと考えている。

Strategy for Future Research Activity

本研究は、山陰地域における原資料としての棟札を網羅的に悉皆調査することを直接の目的とするものではなく、その実現を図るため将来に向けた基盤を作ることを目的としている。
本研究の目的のうち、〔1〕銘文の内容に関する情報の蓄積について、引き続き作業を進める。その際に、どのような形式で情報を整理するのか、さらに検討を進める必要がある。また、今後さらに新しい情報を追加できる可能性があり、期待される。実質的には、これらの情報収集・整理作業を中心に進めていくことになると予想される。
本研究の目的のうち、〔2〕原資料の確認と調査(①調査方法の検討、②調査対象の選定、③調査の実施と結果の整理)については、可能なところにおいて調査を引き続き実施する。
本研究の目的のうち、〔3〕棟札の史料としての特質や記載内容の特質に関する分析と総括については、あらためて銘文の客観的な位置づけについて検討し、史料としての課題(問題点や限界性)と、今後の調査・研究に必要な視点や方法を明らかにしていきたいと考えている。

  • Research Products

    (5 results)

All 2014 2013

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 戦国期の地域権力と石見銀山2014

    • Author(s)
      長谷川博史
    • Journal Title

      世界遺産 石見銀山遺跡の調査研究

      Volume: 4 Pages: 1-9

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 十六世紀の日本列島と出雲尼子氏2013

    • Author(s)
      長谷川博史
    • Journal Title

      島根県古代文化センター研究論集

      Volume: 11 Pages: 1-20

  • [Journal Article] 鏡山城合戦と尼子経久2013

    • Author(s)
      長谷川博史
    • Journal Title

      ひろしま県史協

      Volume: 31 Pages: 29-32

  • [Presentation] 西国からみた戦国動乱と列島海域2013

    • Author(s)
      長谷川博史
    • Organizer
      近世史サマーフォーラム
    • Place of Presentation
      大阪大学
    • Year and Date
      20131019-20131019
    • Invited
  • [Book] 松江市史 史料編4 中世II2014

    • Author(s)
      井上寛司・川岡勉・原慶三・西田友広・長谷川博史
    • Total Pages
      994
    • Publisher
      松江市

URL: 

Published: 2015-05-28  

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