2012 Fiscal Year Research-status Report
「長命茂兵衛家旧蔵文書」の調査・分析に基づく年預の活動実態に関する研究
Project/Area Number |
24520781
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University of Art and Design |
Principal Investigator |
長田 あかね 京都造形芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (10574816)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 日本芸能史 |
Research Abstract |
平成24年度は、およそ月1回のペースで「長命茂兵衛家旧蔵文書調査研究会」を開催し、京都府立山城郷土資料館の預かりとなっている「長命茂兵衛旧蔵文書」の整理・調査を進めた。科学研究費助成事業に交付申請を行って以後の研究会の開催日時は以下の通りである。 2012年4月27日(金)10:00~16:00・同年5月23日(水)10:00~16:00・同年6月22日(金)10:00~16:00・7月25日(水)10:00~16:00・同年9月7日(金)10:00~16:00・同年10月19日(金)10:00~16:00・同年11月16日(金)10:00~16:00・同年12月21日(金)10:00~16:00・2013年1月25日(金)10:00~16:00・同年2月15日(金)3月22日(金)10:00~16:00。開催回数の合計は11回。場所はいずれも京都府立山城郷土資料館。参加者は、長田あかね(研究代表者)・岡井毅芳(研究協力者)・小林凱之(同)・渡辺美秀子(同)の4名である。 研究会の活動を通して、「長命茂兵衛家旧蔵文書」の書誌データの採取、画像データの整理、目録・釈文(翻刻)の作成、解題作成作業のための各文書の内容読解といった作業を行った。これらの作業を通して取得した基礎的データは、平成25年度以降に実施予定の「長命茂兵衛家旧蔵文書」の分析作業及び長命茂兵衛家を中心とした年預の活動実態の解明の研究に必要不可欠かつ重要なものとなる。 また、上記作業と並行して、学会誌での公開に向けた原稿の下準備となる翻刻(釈文)データの作成整理等を、長田あかね(研究代表者)・岡井毅芳(研究協力者)・小林凱之(同)・渡辺美秀子(同)の4名で進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書に記載した「研究の目的」は、「これまで充分には検証されてこなかった年預の活動実態を、その歴史的変遷を踏まえて解明すること」である。その「研究の目的」を目指し、平成24年度の「研究実施計画」には、研究に必要不可欠な「長命茂兵衛家旧蔵文書」の基礎データを揃えるため、作業項目として以下の5項目を挙げていた。(1)「長命茂兵衛家旧蔵文書」全点の書誌データおよび画像データの作成、(2)同文書の目録作成、(3)同文書の釈文(翻刻)の作成、(4)「三番叟面」1面の調査データの作成、(5)同文書の基礎データの公開。そのうち(1)~(3)の作業が約8割程度まで終了しており、(5)の公開に向けた学会誌掲載用の原稿作成の準備作業も約6割程度終了している。(4)の「三番叟面」の調査は、調査を依頼している研究協力者との日程調整が上手く行かず、平成25年度の早い時期に実施予定である。以上の如く「研究の目的」の達成度が「やや遅れている」理由としては、①内容読解の困難な文書が複数点存在し、それに伴う正確な翻刻・目録の作成作業に予想よりも時間がかかっている、②「長命茂兵衛家旧蔵文書」の現物を確認しての調査作業が、管理体制の都合上、保管施設においてのみしか実施できないため、予想よりも作業全体の進行速度に遅れが生じているの2点が挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の本研究課題の推進方策として、平成25年度は、①平成24年度の実施計画の継続(「長命茂兵衛家旧蔵文書」の基礎データの確立及び学会誌での公開)、②「長命茂兵衛家旧蔵文書」及び年預に関する参考文献目録の作成、③①及び②を参照しての同文書の分析作業及び長命茂兵衛家を中心とした年預の活動実態についての解明を、実施計画として挙げたい。そのうち③については、研究会を開催し、研究報告の実施を計画している。平成26年度の実施計画は、平成25年度の計画のうち③の継続と、本研究課題で得られた研究成果の可能な範囲での全面公開(書誌データ・画像データ・目録・釈文(翻刻)・解題・参考文献目録・研究論文のインターネット公開もしくは刊行物における公開)を予定している。さらに、研究代表者の所属学会と連携したシンポジウム等の企画・実施を予定している。尚、研究計画の遂行の上で、文書の現物調査が管理体制の都合上制約があるという課題については、保管施設の京都府立山城郷土資料会での調査回数を増やすことで対応したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度に交付された助成金額のうち次年度使用額として283,821円が繰り越され、平成25年度の研究費は、同年の助成金額(交付予定額)の900,000円と合計して1,183,821円となる。次年度使用額が発生したのは、平成24年度の作業計画の遅れに伴い、同年に予定していた調査用ノートパソコン・デジタルカメラ、文書整理用の備品等の購入を実施しなかったためである。平成25年度の研究費1,183,821円と平成26年度の助成金額(交付予定額)の100,000円とを合わせ(合計1,283,821円)、平成25・26年度は以下の使用計画を予定している。 ①物品費(500,000円を計上:調査用ノートパソコン・デジタルカメラ・カラープリンター・文書整理用備品・関係図書等の購入、②旅費(20,0000円を計上):資料収集等の交通費及び宿泊費、③人件費・謝金(100,000円を計上):研究協力者の作業協力への謝金等、④その他(480,000円):紙焼き写真費・複写費・製本費・研究公開費等。
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