2013 Fiscal Year Research-status Report
沖縄現代史およびグローバル化時代の歴史哲学についての研究
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24520785
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Research Institution | St. Thomas University |
Principal Investigator |
森 宣雄 聖トマス大学, 人間文化共生学部, 准教授 (20441157)
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Keywords | 日本史 / 近現代史 / グローバル・ヒストリー / 歴史哲学 / 沖縄史 / 社会思想史 / 社会運動史 / オーラル・ヒストリー |
Research Abstract |
本研究は、第1に沖縄施政権返還後の沖縄現代史について、実証的かつ理論的な検討を進め、そしてそれらを総合する視点から、第2に近現代沖縄の歴史経験の中から生み出されてきた歴史観を、ひとつの歴史哲学として構成し、社会に発信・提起しようとするものである。その歴史観とは、国民国家を単位とした工業化の過程で構想され、世界に普及してきた西欧近代の主体主義的な歴史哲学と対極的な、自然-社会-世界の間の調和と共生をはかろうとする思想として、21世紀の世界およびその世界史認識において重要な意義を持つと考えられる。 研究実施2年目においては、上記1の課題に関して、継続して多くのインタビューを沖縄県において実施し、そのインタビュー記録を語り手本人に提供し、また関連資料の収集を進めた。第2の課題に関しては、共編著『「島ぐるみ闘争」はどう準備されたか』を公刊し、また出版記念トーク・イベント(12月21日、ジュンク堂書店那覇店)および出版記念シンポジウム(12月23日、沖縄タイムス・ホール)を沖縄戦後史研究を代表する研究者や思想家らとともに200名をこえる来場者をむかえて行ない、また関連して新聞論説、インタビューを発表し、大きな社会的反響を得ることができた。 また、同志社大学アメリカ研究所公開講演会「今、「沖縄問題」において何が問われているのか 東アジアにおける沖縄のパワー」にコメンテーターとして招かれ、国際政治学の領域との接続を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
基地問題をめぐる沖縄の政治社会情勢が大きく動くなか、歴史の体験者の方々自身が歴史を問いなす強い問題意識を持ち、そうした社会的関心の増大に応える図書出版および関連イベントを行なうことができ、成果発表を前倒しして進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画より先行して成果発表に踏みこむことができているので、今後は、沖縄戦後史の固有性に立脚しつつ、普遍的な問題提起を歴史哲学・歴史学理論において行なうことを大きな課題とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初計画では、当該年度までは研究基盤整備を行ない調査活動のために支出が比較的に多い目算であったが、研究成果の進展および研究課題に関する社会的関心の高まりにより、当該年度から成果発表を前倒しして行なうこととし、結果として図書・新聞論説などの執筆期間が多くなったため。 当初計画では研究実施最終年度において研究書公刊などの成果発表を行なう予定であったが、次年度においては、さらに2冊目の研究書公刊による研究成果発表を計画しており、研究成果の拡大にともなう物品費・記録作成などの謝金の増大に次年度使用額を充てる計画である。
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Research Products
(2 results)