2012 Fiscal Year Research-status Report
聖イポリト祭の実証的研究によるメキシコ植民地時代の新たな解釈
Project/Area Number |
24520845
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
立岩 礼子 京都外国語大学, 外国語学部, 教授 (80321058)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / メキシコ / スペイン / 西洋史 / 祝祭 |
Research Abstract |
本年度に実施した研究によって、聖イポリト祭の16世紀から17世紀にかけてのおおよその実態が解明でき、公的性格が付加されていく経緯と重要性も明らかにできつつある。以下が詳細である。① 聖イポリト祭の準備及び実態に関する実地調査をメキシコ特別連邦区古文書館で行い、15世紀から16世紀について調査し、18世紀の資料はデジタル写真化した。② 聖イポリト祭開催の目的とその変遷の分析を行い、a)1521年から1529年の征服直後には首都防衛の目的で行われ、b)1531年から1599年にかけても引き続き首都防衛あるいは住民の武装訓練、c)1600年から1650年にかけて費用負担が問題視され、関心が失われたことがわかった。③ 聖イポリトの解釈については、当初の予想として抽象的なアイデンティティー論の構築を想定していたが、現時点では自らの領土を確保するための手段としての現実的な手法であるとの見方が妥当ではないかと考えている。 今年度の研究の成果は、論文「メキシコ市参事会における旗手をめぐる考察(1528年-1650年)」『京都ラテンアメリカ研究所紀要』pp.63-78, 2012にて発表した。また、口頭発表「Fiesta de San Hipolito: una celebracion para defender la ciudad de Mexico (Siglo XVI y la primera mitad del siglo XVII)」を検討委員会に提出したうえで、メキシコ国立文化人類学歴史学研究所で開催したJustina Sarabia in memoriamにて発表した(2013年3月21日)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目的に掲げた項目について、おおよその資料を入手でき、分析も順調に行うことができた。しかしながら、メキシコ市総合公証書文書館およびメキシコ大聖堂付文書館には関係資料がきわめて乏しいことが判明したため、教会との関係についての考察が難しくなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画にもとづき、進めていく。 検討委員会のマリア・フスティーナ・サラビア・ビエホ教授(スペイン高等学術研究所所管イスパノアメリカ研究所)が病死されたため、検討委員会のメンバーが1人減ったが、研究の進展には不都合は生じないため、とくに補充はしない。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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