2013 Fiscal Year Research-status Report
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24520853
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
深澤 百合子 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (90316282)
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Keywords | 禁農モデル / アイヌ農耕 / 擦文農耕 / フロテーション / 炭化種子 / 雑穀農耕 / アイヌ文化期 / 北海道 |
Research Abstract |
本研究はアイヌ文化における農耕活動が前段階の擦文文化より継続して行われていたことを考古学資料から検証するものである。アイヌ文化期以前の擦文文化期においては雑穀農耕がおこなわれていたことが鉄製農具をはじめヒエ、アワ、キビ、オオムギなどの炭化種子の検出により考古学的資料から明らかにされている。後続するアイヌ文化において農耕活動が文化的要素から消えるという不連続性が言われているのだが、実際には考古学的資料からアイヌ文化においてもヒエ、アワなどの雑穀農耕がおこなわれていたことが明らかになっており、雑穀農耕の連続性を考古学資料よりさらに証明する必要がある。このように実態に即したアイヌ文化の解釈がおこなわれている原因も明らかにする必要がある。 本年度におこなった擦文時代の竪穴住居の発掘調査においては、悪天候により期待していた土壌サンプルのデータを収集することができなかった。炭化栽培種子のオオムギのデータは発掘調査から検出された例がまだ少ないため、十勝太平洋岸の地域の遺跡からの出土を確認したいところであるが、まだ確認にいたってはいない。しかし当該竪穴住居が焼失家屋であることが床面における炭化木材の出土により明らかになっており床面精査をおこなうことにより、炭化種子の検出が期待できると考えている。また住居内にはかまどの存在も確認できたので、かまど近辺において雑穀炭化種子が検出できることが期待できる。土壌サンプルのデータ収集が行われないと、分析工程における種子同定の作業がおこなえないので、次年度は何としても土壌サンプルのデータを収集し種子同定をおこない、雑穀栽培の痕跡を検証したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本年度は悪天候により発掘調査が思うような成果をあげることができず、炭化種子の同定作業に必要な土壌サンプルの収集ができなかった。そのため当初計画していた目的を達成することができなかった。さらに研究環境の面で使用実験室が所属研究科の耐震補強工事をおこなうため移動する事態が生じた。このため研究室、実験室の引っ越しを余儀なくされ、研究を遂行できる環境に恵まれなかった。具体的には実験室において作業をするのが難しく、資料を広げて、出土遺物などを検討する場所がなかった。基礎データが入手できず、また資料整理、同定分析するにいたっっていないという困難な状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究環境の改善により、実験室が有効に活用できる状況が必要である。発掘調査によりすみやかに土壌サンプルを収集しフロテーションを行い同定分析をおこなう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は悪天候により発掘調査から土壌サンプルを採集することができなかった。また研究施設の面からも本研究者が所属する研究科が耐震補強工事を実施するため実験室の移動引っ越しがあり、仮設実験室などの施設で、資料整理や炭化種子同定のためのフロテーション作業を行うことができなかった。 本年度発掘調査により採集できなかった土壌サンプルを採取し、実験室に持ち帰りフロテーション作業をおこなう。炭化種子を検出し同定を行い、ヒエ、アワ、キビ、オオムギなどの栽培植物を確認する。これらの作業にはかなり人工を必要とするため人件費が多く見込まれる。
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