2014 Fiscal Year Annual Research Report
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24520877
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Research Institution | The Paleological Association of Japan, Inc. |
Principal Investigator |
鈴木 忠司 公益財団法人古代学協会, その他部局等, 研究員 (90072719)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 礫群 / 石蒸し調理調理実験 / 砂岩 / 安山岩 / 凝灰岩 / 石英斑岩 / 重量分布型 / 使用回数推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
※平成26年度の研究成果 本年度は、礫群研究会3回、資料調査13回12遺跡(研究協力者調査分を含む)、石蒸し調理・石器石材加熱実験を実施した。分析の対象は1.東京都法政大学多摩校地A-0地点、2.静岡高見丘(磐田市調査)、3.高見丘(静岡県調査)、4.千葉県東林跡遺跡、5.茨城県赤岩遺跡の5遺跡である。このうち、1.多摩校地A-0地点は資料検討を終え、分析・記載に入っている。3.高見丘は調査終了一歩手前まで到達した。5.赤岩遺跡の資料操作は完了し記載・分析の段階に移行した。一方、4.東林跡は、資料の破損が激しく資料操作に苦戦していて、最終局面の見通しがまだ立たないでいる。いずれにしろ、上記5遺跡中東林跡遺跡を除く4遺跡は、平成27年度中に概ね分析、記載に移行できる状況にある。 なお、当初目的の集落像の解析にあたり、火処・炉(火焚き場)問題の重要性が高まり、受熱石器の認定方法とその応用による遺跡内でのその位置の確認法の追及が欠かせない課題であることが強く意識されるようになり、昨年に引き続き調理実験に加えて、急遽石器石材に対する加熱実験を行うことにした。この点は、新たな分析視点として来年度以降も実験継続の予定である。 ※研究期間を通じての研究成果 2.高見丘遺跡については実験結果を適用して「礫群使用回数推定法試論」と題する論文を『古代文化』誌に投稿した。同論文の分析根拠となるデータを、同誌には紙数制限で掲載できないので、古代学協会年報『初音』5(8月刊行)に掲載予定である。東林跡遺跡は、分析に難渋していて暫定的な結果とはなるが、今年度内刊行の「鎌ヶ谷市史研究」第28号に掲載予定である。石器石材の加熱実験からは、多用される黒曜石・頁岩・凝灰岩・安山岩・チャート等の各種の石材のうち、頁岩が受熱痕跡を最も鋭敏に反映することがわかり、今後の集落研究に有益な手掛かりを得ることができた。
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Research Products
(1 results)