2014 Fiscal Year Annual Research Report
現代中国社会の変容とその研究視座の変遷―宗族を通した検証
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24520907
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
瀬川 昌久 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00187832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 幸大 東北大学, 文学研究科, 准教授 (60455235)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 宗族 / 親族研究 / 中国 / 研究史 / 文化資源化 / 社会的正統性 / 社会変化 / 文化的持続性 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度には、前年度までの研究成果を基に日本文化人類学会第48回研究大会(幕張メッセ、5月17-18日開催)において分担者ならびに研究協力者と共に分科会「宗族研究展望―古典的研究対象の現在を再考する」を主催し、研究発表を行った。同分科会では、宗族研究の研究史の総括と新たな展望について瀬川が報告を行うとともに、川口幸大、兼城糸絵、稲澤努、小林宏至が個別事例に基づく研究発表を行った。またこれに先立ち、5月16日には学会発表準備打ち合わせのための研究会を、東北大学東京分室において開催した。これらの研究会、分科会発表での討論やコメントをフィードバックしつつ、既に第1稿が出来上がっている研究成果論文をさらにブラッシュアップする作業を進め、9月までに最終原稿の完成を見た。最終原稿は瀬川及び分担者・川口の他、研究協力者6名の執筆によるものであり、目次は以下の通り。 第1章 宗族研究史展望―20世紀初頭の「家族主義」から21世紀初頭の「宗族再生」まで(瀬川昌久)、第2章 「中国人研究者」の中国社会文化研究における宗族(聶莉莉)、第3章 宗族制度と宗族組織―湖北省の事例(秦兆雄)、第4章 宗族が作られているとき―福建省客家社会における人物呼称の事例から(小林宏至)、第5章 現代中国に息づく親族組織:水上居民の祖先祭祀からの分析(長沼さやか)、第6章 現代中国の「漁民」と宗族―広東省東部汕尾の事例から(稲澤努)、第7章 現代中国の移民と宗族に関する一考察―福建省福州市の事例から(兼城糸絵)、第8章 宗族の形成、変遷そして現在―広東省珠江デルタの一宗族の事例から(川口幸大)、あとがき(瀬川昌久) これらの研究を通じ、宗族のもつ社会的正統性生成ツールとしての持続性と、現代社会におけるその文化資源化の現状が解明された。なお、これらの成果は、平成27年夏に風響社より学術論文集として刊行の予定である。
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Research Products
(7 results)