2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24520914
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福島 邦夫 長崎大学, 水産・環境総合研究科, 教授 (60189933)
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Keywords | 家祓い / 荒神ばらい / 講経 / 冬至冬夜 |
Research Abstract |
長崎県平戸市,生月島の盲僧寺院,修験寺院,仏教寺院,神社,かくれキリシタンについてその活動について調査した。盲僧寺院は各家々をまわり,荒神ばらいと講経,ご祈祷,その他をする。修験寺院は家祓いと講経と冬至冬夜(とうじとうや)ご祈祷,その他をする。盲僧寺院と修験寺院は荒神ばらいと講経を共通しておこない,家々の信仰を集めている。仏教寺院は冬至冬夜,家祓いをし,神社は荒神ばらい,種々の祭り,先祖供養をする。冬至冬夜とは11月に行われる先祖供養の行事で,家々の先祖をまつるために宗門寺院に位牌をおさめ,ご祈祷を依頼するものである。かくれキリシタンは家祓い,かくれキリシタンのまつり,その他をする。かくれキリシタンについては未調査の部分が多いのでさらに調査をすすめたい。このようにこれら5つの宗教機関の活動はかさなっている部分が多い。問題はなぜ重なっている部分が多いかであるが,その原因は一つにこの地方の人々の宗教的希求が大きいことが考えられる。ただし,この点については今後の調査が必要である。平戸,生月のみならず北松浦地方全般に範囲を広げる必要があるかもしれない。このほかにも,この地方にはホウニンと呼ばれる民間宗教者がいる。ホウニンと修験者は教師ー弟子の関係にあることもあった。しかし,独立している場合もあった。この点も含みホウニンついては今後の研究課題とし,複雑な様相を呈している,この地方の民俗宗教と民間宗教者との関係を調べたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平戸市が遠いこと,盲僧寺院,修験寺院,寺院,神社,かくれキリシタンの被調査者が忙しいことが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
平戸を中心にした修験寺院の調査,盲僧寺院の調査をおこなうとともに一ヶ所の町,村をとって悉皆調査を行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平戸が遠いため,旅費が使えなかった。ゼミ生がいないため謝金が使えなかった。 ゼミ生を活用して,謝金の支出をはかる。
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