2014 Fiscal Year Annual Research Report
社会的少数者・弱者保護のための表現規制のあり方に関する比較法研究
Project/Area Number |
24530003
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
東川 浩二 金沢大学, 法学系, 教授 (60334744)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 言論の自由 / ヘイト・スピーチ / 萎縮効果 / 虚偽表示 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、研究課題が掲げる、社会的弱者を保護する目的で行われる言論規制について、わが国で大きで裁判例が見られたので、その分析と取りまとめを中心に研究を行った。 京都朝鮮学校に対する抗議行動をヘイト・スピーチとして高額賠償を認定した一連の裁判例については、裁判の進展ごとに、内外の、とりわけ米国の研究者と積極的な情報・意見交換を行った。この結果、米国の研究者の間で組織される、大規模な、言論規制法の比較研究プロジェクトに関わることになり、研究ネットワークの拡大に成功した。また、ヘイト・スピーチに関する平成26年度の研究の成果は、平成27年5月下旬に米国で開催される、Law and Society Associationの年次総会で報告することが決定している(プロポーザル承認済み)。 アメリカにおける言論規制法については、文献や論文資料などの蒐集に多くの時間を割き、一定の成果をあげることができた。弱者保護のためとはいえ言論規制が許されるかという問題については、言論規制が言論の自由に与える最も大きな問題である、言論の萎縮効果という観点から検討を加え、萎縮効果が発生しない場合には言論規制を行うことができるか、できるとすればそれはどのような場合かを探求した。この成果は、米国の研究者の論文紹介という形式で小論に取りまとめた(現在印刷中)。その他、萎縮効果との関係で、食品の成分の虚偽表示を規制する諸立法との関係をどのように理解するかという新たな研究課題を得ることができた。
|
Research Products
(2 results)