2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24530044
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中谷 和弘 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (60164216)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 由梨佳 防衛大学校, 人文社会科学群, 講師 (80582890)
鶴田 順 海上保安大学校, 国際海洋政策研究センター, 准教授 (90524281)
坂巻 静佳 静岡県立大学, 国際関係学部, 講師 (10571028)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 国際法 / 海洋法 / 国連海洋法条約 / 国家管轄権 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度である平成26年度における各人の研究実績は次の通りである。 中谷は、海洋境界未画定の海域(大陸棚・排他的経済水域)における紛争当事国による一方的な行動(特に一方的な鉱物資源開発)の国際法上の評価とそれに対する相手当事国の反応(特に船舶に対する反応)の国際法上の評価について、2007年のガイアナ・スリナム国際仲裁判決の訴答書面、口頭弁論、判決を細かくフォローすることを通じて検討した。 鶴田は、わが国において国連海洋法条約の実施のための法律の整備がなされている場合と整備がなされていない場合では、船舶の航行の秩序を脅かす行為に対する海上での執行権限の行使の可否やそのあり方にいかなる違いが生じてくるかについて、日本における海上での執行権限の行使の根拠法の一つである海上保安庁法に則して検討した。 石井(山内)は、航行の安全確保と沿岸国の管轄権との関係を巡る法的諸問題、とりわけ、領海、内水、国際海峡という国家領域内の水域における通航権に焦点を絞り、具体的事例としては北極海航路の国際法上の地位などを検討対象としながら、実証的な研究を行った。その成果として、海洋における航行の安全確保と国家管轄権との関係を巡る法的諸問題についての研究を進め、その成果として、国際法上の海賊概念の形成過程、防空識別圏の国際法上の地位について、原子力船の国際法上の地位、日本で裁判が行われたソマリア海賊に関する高裁判決について、論考をまとめた。 坂巻は、免除を享有する軍艦及び政府船舶に特有の航行の安全確保に係る法的諸問題の検討、具体的には、外国の軍艦及び政府公船による領海での「無害でない通航」対し、UNCLOS25条に規定されるところの「保護権」の行使として、沿岸国がいかなる措置をとりうるかという問題について、国連海洋法条約に至るまでの諸条約等の起草過程、免除及び海洋法に関する先行研究等を調査した。
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Research Products
(6 results)