2012 Fiscal Year Research-status Report
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24530080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
坂田 宏 東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40215637)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 民事証拠法 / 民事訴訟法j / 証拠収集 / 証拠開示 / 事案解明 |
Research Abstract |
研究方法として、従来採られてきた伝統的法学解釈論の方法に従い、旧法、現行法の規定の検討、判例の状況、学説の主張等から、あるべき立法の姿を模索し、日弁連の「中間試案」など提言・意見書の類、及び、立法を取り巻く経済的・社会的状況を把握すべき文献・資料を閲読・咀嚼したうえで、精緻な理論を展開・構築する方法を採った。 具体的には、「民事訴訟法改正研究会」(座長三木浩一慶應義塾大学教授。於、(株)有斐閣書籍編集第1部、東京都千代田区神田神保町2丁目17番地)に継続して参加し、プライベートな資格で参加する裁判官、官僚、弁護士及び大学教員の知見にも接する機会をもった。2012年12月末にこの研究会が改正提言を発表したが((三木浩一=山本和彦編;垣内秀介、笠井正俊、坂田宏、杉山悦子(ジュリスト増刊)『民事訴訟法の改正課題』(2012年12月・有斐閣))、共同執筆者として本研究の成果が生かされた。 さらに、この研究会での議論をもとに、2012年5月20日には、平成24年度日本民事訴訟法学会第82回大会(於、京都大学)におけるシンポジウムにおいて民事訴訟法の改正方向についてパネラーとして報告を行った。なお、このシンポジウムでの報告については、2013年3月に発行された民事訴訟雑誌59号に掲載された(シンポジウム「民事訴訟法の今後の改正課題」【報告】II「証拠収集手続の改正-文書提出の局面を中心に」民事訴訟雑誌59号(2013年3月・法律文化社)所収)。 なお、2013年9月には、新堂幸司監修/高橋宏志・加藤新太郎編集『実務民事訴訟講座〔第3期〕第4巻―民事証拠法』(2012年9月・日本評論社)第5章において「証明の軽減」をテーマとして論じた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「民事訴訟法改正研究会」における共同研究と日本民事訴訟法学会大会シンポジウムの準備のため頻繁に研究会を重ね、平成24年度日本民事訴訟法学会第82回大会(於、京都大学)シンポジウムにおける報告、『民事訴訟法の改正課題』(2012年12月・有斐閣))における共同執筆、そして、上記学会シンポジウムが民事訴訟雑誌59号に掲載されたことにより、民事証拠法、とくに証拠開示手続にかかる法的な問題点を網羅的に採り上げることができた。これをもとに、理論的一貫性をもつ証拠開示制度、ひいては事案解明のための民事訴訟法を構築する萌芽を得たと言ってよい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、より詳細に証拠に案する各制度を顧みつつ(たとえば、書証に関する制度(文書提出義務、文書特定手続)に限らず、人証に関するもの、とりわけ秘密保持命令制度や、当事者照会制度その他の制度)、比較法的な知見もより加えてゆく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度も、伝統的法学解釈論の方法に従い、証拠法に関連する種々の文献・資料(洋書及び和書)の収集・閲読・咀嚼に努め、精緻な理論を展開・構築する方法をとる。東京大学大学院法学政治学研究科に所蔵されている資料を閲覧するために2回ほど東京に旅行するとともに、菱田雄郷准教授から専門的知見を得る予定である。 なお、次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額であり、平成25年度請求額とあわせ、平成25年度の研究遂行に使用する予定である。
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Research Products
(4 results)