2015 Fiscal Year Research-status Report
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24530108
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
坂本 達也 静岡大学, 法務研究科, 准教授 (50389235)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 会社法 / 結合企業法 / 少数株主保護 / 債権者保護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、結合企業法制における従属会社の少数株主等の保護について研究を行った。第一に、昨年度から引き続き、イギリス会社法における監査役制度に関する考察の研究成果を公表するための活動を行った。第二に、イギリスおよび日本の会社法における従属会社の少数株主と債権者の保護のための制度である検査役制度について、文献資料を入手し、その文献資料を精読し、イギリスと日本の制度の比較、研究を行い、日本法への示唆を得た。第三に、昨年度から引き続き、従属会社の少数株主の救済制度となる退出規制として、イギリス会社法における不公正な侵害行為からの株主の救済制度について、文献資料を入手、精読し、研究を進め、日本法への示唆を得た。本年度の研究成果としては、上記第一に関して、研究成果を「イギリス会社法における監査役制度に関する考察」と題して静岡大学法政研究20巻1号1(68)頁において公表したこと、上記第二に関して、イギリス会社法における検査役制度について、関西商事法研究会において研究報告をし、その後研究成果を「イギリス会社法における検査役制度に関する考察」と題して静岡大学法政研究20巻3号339(98)頁において公表したこと、および、上記第三に関して、論文を書き終え、「従属会社の少数株主の退出に関する考察」と題して、研究成果を静岡大学法政研究20巻4号(校正中)において公表することを予定としていることがある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度においては、上述のように、①「イギリス会社法における監査役制度に関する考察」静岡大学法政研究20巻1号1(68)頁(2015年)、②「イギリス会社法における検査役制度に関する考察」静岡大学法政研究20巻3号339(98)頁(2016年)を公表し、③「従属会社の少数株主の退出に関する考察」静岡大学法政研究20巻4号(校正中)を公表する予定にしており、また、③については、昨年度までにおいて関西商事法研究会において研究報告をし、一度論文として書き上げていた原稿に、本年度において大幅な加筆と修正を行っており、これら①から③の研究成果において、結合企業法制度の重要な論点について日本法への示唆を得ることができたことから、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方法は、従属会社の少数株主保護に関して、企業組織が再編される場合における従属会社の少数株主保護について、イギリス法および日本法の文献資料を入手・精読し、イギリス法から日本法の示唆を得ることであり、また、本研究の総括的な研究成果を公表し、本研究が示唆する今後の研究課題として、どのようなものがあるかについて検証することである。
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Causes of Carryover |
本年度においては、主に、結合企業法制度における従属会社の少数株主保護に関して、イギリス法および日本法の文献資料の入手、研究会または学会への出席のための国内旅費のために研究費を使用したが、入手すべき文献資料について慎重に選択したため、入手した文献資料が限られた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の使用計画は、主に次のとおりである。第一に、結合企業法制における従属会社の少数株主保護に関して、イギリス法および日本法を中心に文献資料を入手するために、第二に、研究会および学会への出席のための旅費のために、第三に、研究論文の執筆または文献資料の入手もしくは精読のために、パソコン周辺機器、パソコンのインクおよび印刷用紙の購入のために研究費を使用する。
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