2015 Fiscal Year Annual Research Report
知的財産高等裁判所の功罪と多元分散志向の可能性-大合議判決をキーワードとして-
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24530110
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 広志 北海道大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (70360881)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 知財高裁大合議判決 / プロダクト・バイ・プロセス / 職務発明 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究論文を7本執筆した(投稿済のもの。うち5本は刊行済、2本は2016年上半期中に刊行予定)。 本年度は、6月5日に出されたプロダクト・バイ・プロセス・クレイムに関する最高裁判決(以下、平成27年最判)を中心に研究した。平成27年最判の原審は、平成24年の知財高裁大合議判決であり、本研究の中核である知的財産高等裁判所大合議判決の意義についての重要な検討対象である。このテーマに関しては、関心を同じくする他の研究者と意見交換を重ねた上で、判例評釈を1本発表した。また、この判例評釈を膨らませる形でより詳細な論考を現在執筆中である。執筆中の論文では、判決の射程や今後の実務に対する影響といった主要論点のみならず、知財高裁大合議判決と最高裁判決の関係性の在り方について論じている。プロダクト・バイ・プロセス・クレイムに関しては、実務家向けのセミナーで成果発表する予定である。 また、昨年から引き続いて平成16年改正法が初めて適用された職務発明に関する論考を発表した。職務発明規定はさらに平成27年に法改正がなされたため(平成28年4月1日から施行)、改正法にまつわる問題点をまとめた論文を学会誌に投稿した(2016年5月出版予定)。 このほか、用途発明の特許性に関する論説を発表した。これまで問題として意識されてはいたがほとんど研究がなされていなかった、「内在的同一、内在的実施」について切り込んだものであり、実務的な価値が高い論説となった。これも実務家向けのセミナーで成果発表する予定である。
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Research Products
(7 results)