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2014 Fiscal Year Research-status Report

移民の流れの適正な管理と難民保護の両立の条件―EUの共通移民政策の分析

Research Project

Project/Area Number 24530115
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

中坂 恵美子  広島大学, 社会(科)学研究科, 教授 (20284127)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2017-03-31
Keywords難民 / 移民 / 人身取引 / アジア / EU
Outline of Annual Research Achievements

本年度は人身取引及び密入国の取り締まりが難民保護に与える影響を分析することが研究の主題であり、地域的には特にアジア地域を対象とした研究を行った。まず、EUの出している一次資料から、人身取引等の防止に関するEUの政策の概要を整理し、次に二次資料を用いてアジア地域における移民問題及び難民問題についての問題点をした。さらに、マレーシアにて難民支援NGOであるAsia Pacific Refugees Rights Network、Tenaganita、研究者等から最近のアジア地域における移民及び難民問題の動向についての情報を収集した。
調査結果として次のようなことが得られた。第一に、EUにとって人身取引の防止は重要な課題として取り組みを進めている問題であり、特に近年は調整官のポストを創設するなど組織的な枠組みも強化している。第二に、アジアにおける移民及び難民に関する現在の状況はいくつかの特徴を指摘することができる。それらは、①子ども及び女性という弱い立場の人々がそれらの多くを占めていること、②それら弱い立場の人々が、複数の国境を越えて移動する傾向がみられるが、国境をこえても暴力のサークルが継続していること、③3世代、4世代にわたる難民や避難民が多いこと、④これらの事態に対処するために、アジア諸国においても国境取締りの厳格化が進んでいること、などである。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

上述したように、EUの人身取引等の防止に関する政策の概要、及び、特に東南アジア地域における難民及び移民問題それぞれについての調査をすすめることはできたが、その両者の関わりについて具体的な施策やその効果を調査することまで至らなかったことが、本年度の当初の予定から考えて未達成の部分である。その主な原因は、本年度マレーシアで行った現地調査ではそのような情報が収集できなかったことにある。以前EUのプロジェクトの実施を請け負っていたIOM(国際移住機関)のアジア地域事務所(在バンコク)の訪問も予定しており、その部分に関してはそこで情報収集ができることを期待していたが、先方の都合と日程が合わずに実施できなかった。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、次の三つの課題を実施する。第一に、昨年度不十分であったアジア地域に関する研究の補足調査を行う。上述したタイのIOM事務所を第一候補として再度現地調査を計画する。第二に、この数年のEUの政策の動向・進展を考慮して、1年目に調査をした北アフリカ問題について追加調査を行う。すなわち、この3年間で研究対象としてきた北アフリカ、EUの東側の諸国、アジア地域という三つの地域の中で、近年EUにとってもっとも大きな比重を占めており喫緊の課題ともいえるのが北アフリカからの人の移動であることがわかった。そこで地中海におけるFRONTEXの活動等を、1年目に行った調査以降の展開を中心にさらに調べ分析する。第三に、最終年として総括的な研究も行う。これまでに取り上げた地域及び取り上げなかった地域も含め、移民と難民の重層的な流れの中で、EUの共通移民政策及び庇護政策の対外的な側面は国際社会にとってどのような意味をもちうるのかを分析する。

Causes of Carryover

本年度実施を予定していた在バンコクIOMアジア地域事務所での現地調査が、訪問先及び自分の都合により日程が合わず、実施できなかった。必要な調査であるため、来年度に延期して再度調整したうえで実施することとしたため、その分の旅費が繰り越された。

Expenditure Plan for Carryover Budget

次年度に調査を遂行予定である。IOM地域事務所以外に、在バンコクの研究者及びNGOにも訪問できるように調整中である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014

All Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Presentation] 「非領域的形態の少数者の保護」2014

    • Author(s)
      中坂恵美子
    • Organizer
      国際法学会2014年度研究大会第三分科会
    • Place of Presentation
      朱鷺メッセコンベンションセンター(新潟県・新潟市)
    • Year and Date
      2014-09-20
  • [Book] 『国際法入門 逆から学ぶ』 (担当「外国人法」)2014

    • Author(s)
      山形英郎(編著)、 比屋定泰治、楢林健司、黒崎将広、桐山孝信、松井章浩、西片聡哉、西村智明、岡田順子、木原正樹、板倉美奈子、中坂恵美子、前田直子、稲角光恵、川島富士雄、繁田泰宏、中井伊都子、小坂田裕子、徳川信治、湯山智之
    • Total Pages
      418 (188-201)
    • Publisher
      法律文化社

URL: 

Published: 2016-05-27  

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