2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24530117
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
陶久 利彦 東北学院大学, 法学部, 教授 (20154429)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 修 関西大学, 法学部, 准教授 (10433509)
新井 誠 広島大学, 法務研究科, 教授 (20336415)
宮川 基 東北学院大学, 法学部, 准教授 (30271852)
佐々木 くみ 東北学院大学, 法学部, 准教授 (80438522)
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Keywords | 性風俗 |
Research Abstract |
1.研究会開催:昨年度は合計4回の研究会を、仙台と東京で開催した。共同研究者の報告については、次のとおり。①佐々木くみ「売春の規制態様と規制根拠についての覚書」、②新井誠「風営法におけるダンス営業規制の合憲性」、③陶久利彦「わいせつ文書と嫌悪感」、④荒木修「性風俗と土地利用規制」。他方、招待報告者からは、⑤「アメリカにおける性風俗統制と権利獲得運動の一例:ストーンウォールからLawrence v. Texas 判決まで」、⑥「同性婚をめぐる法秩序」、⑦「児童ポルノの単純所持規制をめぐる問題」、⑧「危害原理とリーガルモラリズム」というテーマで議論に参加をしていただいた。 2.学会参加:臨床政治学会東京大会(2013年4月専修大学にて開催)に共同研究者のうち、新井・宮川・陶久が参加し、「性的秩序と法」と題する共同報告を新井の司会の下行った。 3.論文発表:別欄で記載のように、共同研究者の一部がこれまでの研究に基づく成果を公表している。 以上のように、個別の研究を踏まえた定期的な研究会開催を契機として、研究全体が歴史的・比較法的・理論的に深まると同時に、人的な交流も拡大しつつある。確かに、研究報告のすべてが活字として公にされているわけではないが、最終年度である2014年度にはこれまでの集大成としての論文が各自公表されるか、又は後述の『論文集』に掲載予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.研究会開催:定期的な研究会を開催できていることは、共同研究者各自の研究が進展を見せていることの証左である。専門分野が異なるためアプローチの違いはあるが、かえってそのことが相互の違いを意識させる一方で、互いに学びあう良き環境を作り出している。 2.論文発表:共同研究者の殆どすべてが、本共同研究2年目の昨年度に論文を幾つか公表している。掲載予定の論集発行の延期のあおりを受けて昨年度内には未発表に終わった研究者もいるが、2014年度はその分が立て続けに公表されるはずである。 3.研究関心の収斂:回を重ねるにつれ、相互の関心や志向性が明らかになり、今後の共同研究にとって良き基盤が形成されつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の目標は3つある。 1.11月開催予定の日本法哲学会でワークショップを開く。既に開催自体は学会から承認されているので、7月と9月の2回に分けて当日の報告内容や時間配分等を詰めていきたい。 2.論文集を刊行する。共同研究者以外にゲストスピーカーからも賛同を得て、『性風俗と法秩序』という本研究テーマそのものをタイトルとした論文集を年度内に刊行すべく、準備を進めている。幸いにして、出版社からの了解も得ている。執筆者は12名の予定。 3.これまでの研究会を継続し、人的な拡大と同時に扱う領域を広げていきたい。願わくば、次年度以降の科研費共同研究継続申請にもつなげていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
二つの理由がある。一つは、研究開催場所と報告者の所属機関所在地との関連で、予定よりも出張費が少なくなったこと。二つは、入手希望書籍が品切れ等の理由で入手不可となったことである。 研究会の適切な開催と資料収集に要する費用を計算し、予定している研究費を適切に消費するように努めたい。それ以外にも、実態調査費に当てることも考えている。
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