2013 Fiscal Year Research-status Report
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24530197
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
芦谷 政浩 神戸大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (10304057)
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Keywords | 裁定取引 |
Research Abstract |
本研究課題は、公営賭博の勝者投票券が持つ金融商品としての側面に光を当てて、そこでの裁定取引の可能性を探ることを目的としている。具体的には、株式市場における「日経平均指数」と「日経平均バスケット」の間での裁定取引と同様に、馬券市場における「単勝1番」と「1番の流し」の間での裁定取引を考える。この種の裁定取引によって「1着・2着・3着の着順がどうなったとしても払戻金総額が勝者投票券の購入費用を上回る」ような勝者投票券の組み合わせを作り出すことを、業界用語でLockと呼ぶ。 平成24年度は本研究課題の初年度として、準備的な作業を中心に行った。具体的には、JRA主催の全レースについて勝者投票券の販売データを収集し、NAR主催の全レースについて最終オッズ表を収集した。 平成25年度は、平成24年度に収集したデータを用いて、分析作業を開始した。作業はまだ初期段階ではあるが、平成25年度前半までの作業実績をまとめたものとして、芦谷政浩(2013)「佐賀競馬における裁定機会の出現頻度」国民経済雑誌第207巻第6号、pp.53-59を公刊した。さらに、平成25年度後半に行った作業の成果として、芦谷政浩(2014)「大井競馬・川崎競馬・船橋競馬・浦和競馬における裁定取引の実行可能性」国民経済雑誌第209巻第5号を公刊予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」で述べたように、2013年度中に学術論文を1本公刊し、さらに2014年度前半にもう1本の学術論文を公刊することが確定しているため(当該論文は、原稿の最終校正も完了している)。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に引き続き、NAR主催の全レースについて、最終オッズ表から売上票数データを逆算する作業を進めていく。この作業は労働集約的であり、多大な作業時間を必要とするが、前年度のペースで着実に作業を遂行する予定である。 このデータ加工作業と並行して、Lockが可能なレースに関する先行研究の調査も継続する予定である。このため、関連書籍を購入するだけでなく、内外の関連する研究分野の専門家とセミナー等を通じて意見交換を行い、特に欧米諸国の研究成果を積極的に吸収する予定である。また、Lockを実際に行うに当たってどの様な問題が生じるかを、競馬場・競輪場の実地調査によって確認していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
交付決定額4,160,000円、うち既受領額累計2,080,000円、うち支出額累計2,079,938円であり、平成25年度の終了時点で未使用予算残額は62円であった。これはゼロに限りなく近い金額であり、適切な計画に基づいて予算執行した成果である。 前年度からの予算繰り越しが207円あるものの、おおむね計画通りに研究費を使用している。
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Research Products
(1 results)