2013 Fiscal Year Research-status Report
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24530209
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
小林 磨美 立命館大学, 経営学部, 准教授 (40411566)
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Keywords | ミクロ経済学 / 企業金融 / 金融システム |
Research Abstract |
平成25年度は前年度に構築した基本モデルをめぐる問題点を見直し、新しい理論モデル構築を目指して次を行った: 1. 2007-2009年の世界的金融危機をめぐる問題について、(1)危機に先立つ建材環境や金融市場の変化を受けて進化した金融機関の証券代位機能がどのように危機波及・拡大に影響を与えたか、(2)金融政策や金融機関に対する規制の有効性、の2点を中心に、既存事実とミクロ経済学的研究手法による既存研究を中心に整理した。これらについて「金融危機における諸問題の整理とミクロ経済学的研究の課題と展望」のタイトルで邦語論文として発表している。 2. 1.で整理した既存研究を中心に、昨年度に構築・分析した理論モデルの問題点を修正し、専門学会誌に再投稿した。 3. 1.での整理を受け、新規の理論分析モデルの枠組みを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度構築・分析した理論モデルに基づく論文について、瑕疵が見つかり修正を施す必要に迫られた。またこのことを受け、研究課題に関連する問題について見直し、分析対象とする問題の本質について整理を行ったため、あたらしいモデルの構築に時間的な遅れが発生した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度において整理した金融危機をめぐる問題と関連するミクロ経済学的先行研究に基づき、金融危機に直面する金融機関の投資選択問題をモデル化して分析を行う。前年度の研究により、モデル構築に際して取り入れるべき主要な要素として1.基本的に要求払預金の性質を保持する短期負債による資金調達に対して、さまざまなリスク(信用リスク、流動性リスク、カウンターパーティ・リスク)によって価格が変動する証券化金融商品への投資といった、現代の金融機関のバランスシートが直面するリスクや満期の不一致、2.金融危機の描写として、一定の投資期間の期中における資産価格の下落にともなう再投資の必要性と、そのための流動性確保の問題、3.金融政策および金融機関をめぐる規制等が金融機関の流動性確保に与える影響、を取り入れる。今年度前半には上記1.から3.の要素を取り入れた理論モデルを構築・計算し、今年度中に論文を完成し、専門ジャーナルへの投稿を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
出張旅費として考えていた金額が想定していたよりも少額だったため誤差として翌年度への繰り越しが生じた。 金融経済学に関する金融庁への出張旅費の一部としての使用を計画している。
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