2014 Fiscal Year Research-status Report
食の倫理と功利主義:食をめぐる規範・実践・ジェンダー
Project/Area Number |
24530214
|
Research Institution | Tokyo Junior College of Transportation |
Principal Investigator |
板井 広明 東京交通短期大学, その他部局等, 准教授 (60405032)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | ベンサム / 功利主義 / 食の倫理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はこれまでの研究成果の一部の報告および公刊などを行なった。2014年8月20日から22日にかけて横浜国立大学で開かれた国際功利主義学会で、"Jeremy Bentham on Government and Indirect Legislation: Regime of publicity, enlightenment, and discipline"というペーパーを報告した。また同セッションで報告したBrunon-Ernst, Anne (Pantheon-Assas University / Centre Bentham)氏と共同研究プロジェクトを立ち上げた。彼女はフランスの文脈における功利主義思想の展開を扱っており、イングランドとの比較を行なう為に必要な知見を提供してもらっている。 また初年度に続いて、上記ISUSの後に渡英し、ロンドン大学所蔵のベンサム草稿の検討およびUCLのSchofield教授と意見交換を行なった。ロンドンでは現代的な食におけるオーガニック食品について、どう人々が関わっているのかについても、市内の定期市に足を運び観察などを行なった。 年度後半はISUSで報告したペーパーのブラッシュアップに時間をかけつつ、上記Brunon-Ernst Anne氏とのプロジェクトから派生した研究としてNudge(行動経済学などで注目されている統治技法)に関する論文への取り組んだ(food ethicsにおいても、人々を健康的な食生活、とりわけ栄養価の高い食品を選択してもらうことについてNudgeの問題は重要である)。これには倫理学および政治哲学の研究者らとの共同論文の形で来年度具体的に執筆に入る予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ISUSでの報告は予定通りだったが、動物論についてのペーパーを仕上げることができなかった。今年度から専任職を得、本務校での教育や事務の時間が大幅に増えて、予定していた研究時間が削られたからである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も草稿を丹念に読み込むことを行ないつつ、より現代的な食の倫理の問題に重点を置いた研究を進めていきたい。とりわけ一般書的な本として構想している現代における食の倫理についての原稿を執筆することを優先させる予定である。
|
Research Products
(3 results)