2014 Fiscal Year Annual Research Report
18-19世紀転換期における経済学のイングランドへの転位─ケンブリッジを中心に
Project/Area Number |
24530219
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
久保 真 関西学院大学, 経済学部, 准教授 (30276399)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ケンブリッジ / 古典派経済学 / 道徳哲学 / 道徳科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
18世紀から19世紀にかけてのケンブリッジ大学における経済学の有り様を探る本研究プロジェクトの最終年度(三年目)として、以下のような研究を行った。 前年度(二年目)に、1850年代にケンブリッジ大学で行われた経済学講義および道徳哲学講義の内容を分析しこれをまとめた論考を、国際学術雑誌に投稿したところ、いくつかの点に関して改稿を求められることとなった。主要なものとして、制度論的アプローチ(とりわけ、大学制度に関連して)をとっていながら経済学の定義が余りにも狭くアナクロニスティックであること、また、1848年におけるケンブリッジ大学道徳科学トライポス設立に至る経緯や設立後の運用について未だ多く点が不明であること、という指摘がなされた。 本年度この改稿要求に対応すべく、前者については、同時代の他大学における経済学講義の内容についても一次文献・二次文献を渉猟・分析し、当時の経済学の有り様をより広く捉えることに努めた。この研究成果については、上記論文の改稿に反映させるとともに、その成果の一部を含む口頭報告を、経済学史学会第78回全国大会(2014年5月、於立教大学)および北米経済学史学会第41回大会(2014年6月、於モントリオール)で行った。また後者については、2015年2月に渡英し、ケンブリッジ大学図書館およびトリニティカレッジ図書館で資料調査を行い、これまで不明であった制度運用上の諸点を明らかにした。 これらの研究成果を盛り込むべく上記の論考を改稿し再投稿を行った。現在(2015年4月時点)、掲載の可否について連絡を待っているところである。
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