• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2012 Fiscal Year Research-status Report

合理的・非合理的な学習効果を考慮した債券とCDS価格モデルの発展とその実証研究

Research Project

Project/Area Number 24530351
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

小野 貞幸  広島大学, 社会(科)学研究科, 講師 (80602002)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords債券価格 / 学習効果 / クレジィト・デフォルト・スワップ
Research Abstract

本研究では、投資家が経済ファンダメンタルズ(鉱工業指数と貨幣供給量)の成長率の正確な期待成長率を観測できないという情報の不完全性を導入し、その学習効果が債券価格そしてクレジィト・デフォルト・スワップ(CDS)保証料にどのように影響を与えるか理論と実証面において研究を行います。当該年度以前になされたことは、日本を含む先進国の国債に適応できる仮定として債務不履行のリスクが存在しないという仮定から国債の価格の式を導きました。その際、代表的投資家の学習がベイズ推定に従うという合理的学習方法を仮定しました。
当該年度に実施した研究の成果は2つあり、どちらも理論面においてなされました。まず、経済ファンダメンタルズの成長率の学習方法として非合理的である4つの方法(悲観的、楽観的、保守的、短絡的)を定式化しました。悲観的な(楽観的な)学習では鉱工業指数と貨幣供給量の成長率の過去の観測値のうちベイズ推定が示唆するよりも低い(高い)値を強調して現在の期待成長率を推定し、保守的な(短絡的な)学習ではベイズ推定が示唆するよりも古い(新しい)観測値を強調して推定を形成します。これら4つの非合理的な学習方法からは国債の価格の閉形式解を得ることは不可能で、国債の価格を導くため、シミュレーションなどの数値解析で計算する方法を確立しました。
もう一つの成果は、社債や先進国以外の国債に適応できるように債務不履行の可能性を考慮し、代表的投資家が合理的に学習をおこなうとして債券価格の閉形式解を導きました。さらに最初の成果と同様、4つの非合理的な学習を応用した債務不履行リスクのある債券の数値解析手法を設定しました。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

研究実績の概要で述べたように当該年度は理論面では成果を出したと言える。実際、平成25年度に行う予定であったデフォルト・リスクのある債券の価格の理論式を導いており理論面では当初の計画より進んでいると言える。
しかしながら、当該年度は実証の研究に時間を費やすことができず、全体的には達成度はやや遅れていると評価することにいたしました。当初当該年度の実証研究では、日本の国債価格のデータを扱う予定でしたが、日本国債はクーポンを支払うため、クーポンを支払わない割引債の価格を取り扱う理論式との整合性から、それらクーポンを支払う債券価格を割引債の価格に変換したデータが必要になります。米国の国債に関しては、割引債に変換した米国国債のデータを購入することにより利用することは可能となりましたが、日本国債の場合、変換したデータを見つけることができず、当該年度は理論面を前倒しして行いました。

Strategy for Future Research Activity

現在までの達成度で述べましたとおり、実証面の研究で遅れており、次年度は実証研究に主に時間を費やす方針です。米国の国債の変換データはすでに所有していますので、米国国債に関して、代表的投資家が非合理的な学習を行う場合の実証研究を行います。現段階で日本国債の変換データを入手できないので研究者自身で作成する必要があります。その分野の先行研究がありますので、それらの方法に従いデータを変換し、米国の国債に応用したように、合理的な学習と非合理的な学習が日本国債にどのように影響するか考察いたします。
加えて、デフォルト・リスクのない国債に行うのと同様に、デフォルト・リスクのある債券についても実証研究を行います。そのため米国と日本の社債のデータを集め、もし割引債券価格に変換されたデータが利用可能でない場合研究者自身で作成し実証を行います。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度の研究費の主な利用目的は、米国と日本の社債価格のデータの購入、学会での発表のための渡航費用、論文投稿・英文校閲、実証研究でシミュレーションを行うため使用するパソコンのパフォーマンスを向上するために必要ならばCPUの増設、自身の研究室外で研究を行うためのLaptopPCの購入、ソフトウエア(Matlab, Matlab toolboxなど)の新規購入・保守を計画しております。また、次年度の研究が計画以上に進展した場合クレジィト・デフォルト・スワップのデータを購入する予定です。

  • Research Products

    (2 results)

All 2012

All Presentation (2 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] Term Structure Dynamics in a Monetary Economy with Learning2012

    • Author(s)
      小野貞幸
    • Organizer
      近経研究会
    • Place of Presentation
      横浜国立大学経済学部
    • Year and Date
      20120607-20120607
    • Invited
  • [Presentation] Term Structure Dynamics in a Monetary Economy with Learning2012

    • Author(s)
      小野貞幸
    • Organizer
      日本ファイナンス学会第20回
    • Place of Presentation
      一橋大学大学院ICS
    • Year and Date
      20120526-20120526

URL: 

Published: 2014-07-24  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi