2012 Fiscal Year Research-status Report
アメリカ及びデンマークの住宅政策におけるソーシャル・ミックスと非営利組織の役割
Project/Area Number |
24530353
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
岡田 徹太郎 香川大学, 経済学部, 教授 (80314897)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 住宅政策 / アメリカ / デンマーク / 非営利組織 / 家賃補助 / ソーシャルミックス |
Research Abstract |
4月~7月期には、まず、日本国内の研究協力者と新たな研究課題について打ち合わせを行なったうえ、数度にわたり、研究会を開催し、意見交換を行った。加えて、8月下旬から9月上旬のデンマーク渡航現地調査に向けた準備として、文献・資料の収集、およびデンマーク現地研究者との打ち合わせ、訪問先の調整、通訳の手配など、具体的な研究計画の策定を行なった。 8月下旬から9月上旬には、デンマークを訪問した。まず、コペンハーゲン市役所の雇用・統合課でのインタビューを行なった。続いて、デンマーク非営利住宅協会(DAB)の管轄する住宅団地 Vaerebroparken, Ellemarken を訪問し、住宅団地理事会へのヒアリング・インタビュー及び視察を行なった。さらに、デンマーク中央政府の住宅・都市・農村省および社会・統合省を訪問し、インタビューを行なった。加えて、限界的なコミュニティとされるTingbjerg 住宅団地を訪問し、管理者へインタビュー及び視察を行なった。以上の現地調査の成果を総括・整理するために、コペンハーゲン・ビジネススクールの Jens Lunde 准教授を訪ね、住宅政策について討議した。 10月~12月期には、デンマーク訪問調査の記録を整理し文書化する作業を進めた。同時に、研究協力者との打ち合わせ及び研究会を開催し、研究を進めた。 1月~3月期には、1年間の研究成果をまとめ、論文として執筆し、香川大学経済学部の紀要に公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アメリカ及びデンマークの住宅政策におけるソーシャルミックスと非営利組織の役割について解明することが本研究の課題である。デンマークについては、2010年に引き続き、2012年も本科研費により、現地調査に入れたことにより、より一層、課題の解明につながる資料を得たり、示唆を得ることができた。その成果は、まだ非公表であるが、既にインタビュー・ヒアリング結果の文書化の段階まで進んでおり、平成25年度中に論文として公表する段取りがついている。 アメリカについては、前年度から引き続き、文献資料による調査研究を進め、研究会での討論を経て、論文として公表することができた。平成25年度は、さらにアメリカ現地調査を加えて、より深く調査研究に入る予定である。 以上のように、デンマーク・アメリカともに、資料収集・現地調査・研究会での検討・研究成果(論文)の公表等が進んでおり、全体として、研究は、おおむね順調に進展しているとして差支えない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、アメリカ・デンマークでの現地調査研究の結果が、どこまで現代資本主義社会に普遍的なものとして通用するのか論点を広げ考察に入る。4月から7月までの期間については、まず、若手研究協力者との研究打ち合わせで論点整理を行ない、平成25年度の課題を設定する(東京)。加えて、日本地方財政学会(専修大学、5月)での意見交換を経て、研究協力者との共同研究会(東京大学、6月・7月)を開催する。平成24年度・デンマーク現地調査の成果を踏まえ、文献資料の収集及び新たな論点整理、比較研究のためのアメリカ渡航調査の計画策定を行なう。 8月~9月には、アメリカにおいて、地方政府や住宅供給組織に対し、実地調査を行なうとともに、カリフォルニア大学バークレー校の研究グループ(Larry Rosenthal博士ら)と意見交換を行なう。 10月~12月期には、アメリカ現地調査結果を取り纏め、研究協力者の共同研究会で報告する。日本財政学会(慶応大学、10月)での意見交換を経て、新たな論文の草稿を仕上げる。 1月~3月期には、新たな論文の草稿を、公表するための学術論文として仕上げ、一年間の研究の総仕上げとする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、夏期休業中に、アメリカ現地渡航調査を行なう。地方政府や住宅供給組織に対し、実地調査を行なうとともに、カリフォルニア大学バークレー校の研究グループ(Larry Rosenthal博士ら)と意見交換を行なう。
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