2013 Fiscal Year Research-status Report
グローバル・アライアンス成果に対する企業間多様性の影響に関する研究
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24530475
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
安田 洋史 青山学院大学, 経営学部, 教授 (90588542)
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Keywords | アライアンス / 企業間多様性 / アライアンス成果 |
Research Abstract |
本研究は、グローバル・アライアンスと国内アライアンスとを比較しつつ、パートナー企業間の多様性がアライアンス成果にどのように影響するかを実証的に分析し、そこに内在するプロセスを究明することを目的としている。本年度は、前年度までに行った文献調査、理論検討、及び予備調査に基づいて導出した理論モデルや仮説を精緻化し、それを実証的に検証するための現地調査およびアンケート調査を行った。現地調査では日本(筑波)、欧州(ベルギー)、および米国(カリフォルニア)で行われている研究開発アライアンスを訪問し、それぞれのプロジェクト責任者や関係者に対してのインタビューを行い、本研究の課題に関してアライアンスを管理する立場からの見解を聴取した。アンケート調査では、日本の製造業企業の経営戦略部門のアラインス担当者に対して、オンライン方式で質問票を送付し、実際にアライアンスを経験した担当者の立場からの認識を質した。342社から497のアライアンス事例に関する回答を収集し、そのデータを用いて統計的解析を行った。このような現地調査やアンケート調査の分析結果に基づいて、本研究課題に関して提示した理論モデルや仮説について、その妥当性を評価した。なお、これら一連の調査で得られたデータについては、まだ不十分な項目が残っているため、さらに追加の補充調査を今後実施する予定である。なお本年度は、この時点でまでの成果を取り纏めて、国内学会で報告を行った。また複数の国際学会に参加し、海外の研究者との間で、本研究課題に関する議論を行った。さらに論文を執筆して書籍および学会誌への投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では、二年目(平成25年度)の具体的な目標として、(1)アライアンスを実際に経験した企業関係者に対するアンケート調査の実施、(2)アンケート調査結果の分析、(3)提示した仮説の検証、を挙げていた。(1)についてはオンライン方式でのアンケート調査を実施し、研究計画で想定していた150~200社を大きく上回る342社からの回答を得ることができた。(2)については、SPSSを用いた統計的解析を行い、その結果に基づいて(3)仮説の検証作業を進めることができた。このように(1)~(3)については概ね、研究計画どおりのスケジュールと内容で研究活動を遂行することができた。また、初年度に引き続いて、国内外での現地インタビュー調査も実施し、研究課題に取り組むうえで貴重な数多くの見解を聴取することができた。但し、データとして不十分な項目も残っているので、平成26年度も補充調査を継続していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまでの現地調査やアンケート調査を補充する追加調査を継続するとともに、研究課題に対する答えを明確にし、その成果を取り纏め発表する段階に進んでいくことになる。現地インタビュー調査に基づく定性的分析の結果と、アンケート調査に基づく定量的分析の結果とを補完的に活用することで、提示した仮説の妥当性を評価し、本研究課題に対する回答を導く。今年度中にこれらの研究成果を取り纏め、論文投稿や国際会議での発表を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
米国フロリダでの米国経営学会年次総会後にニューヨーク州で予定していた国際アライアンスの現地調査が、相手方の都合により延期されたため、その分の旅費が少なくなった。 米国ニューヨーク州での国際アライアンスの現地調査は今年度行う計画なので、そこで必要となる旅費の一部として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)