2014 Fiscal Year Annual Research Report
グローバル・アライアンス成果に対する企業間多様性の影響に関する研究
Project/Area Number |
24530475
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
安田 洋史 青山学院大学, 経営学部, 教授 (90588542)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アライアンス / アライアンス成果 / パートナー間多様性 / アライアンス・ガバナンス |
Outline of Annual Research Achievements |
アライアンスにおけるパートナー間多様性についての研究は、主にグローバル・アライアンスを国内アライアンスと比較する視点から論じられてきた。従来の研究は、それぞれ異なる多様性要因について個別に論じているため、ある研究は外国企業との間の多様性のネガティブな面を強調し、また別の研究はそのポジティブな効果を指摘し、アライアンス成果に対するその影響について異なる見解が主張されてきた。市場のグローバル化が進展する中で、アライアンスもグローバルな観点から最適なパートナーとの連携を志向せざるを得ない。多様性をもった企業をパートナーとすることは、多くの状況において避けられない選択となっている。従って、多様性のある企業と組む方が良いか否かということではなく、アライアンスにおけるパートナー間多様性のポジティブな面をいかに活用し、ネガティブな面をいかに克服していくかという視点が求められる。 このような問題意識から本研究では、パートナー間多様性の様々な要因を包括的に取り上げ、それぞれがアライアンス成果に対してどのように影響するか、またその影響を媒介する要因や緩和する要因は何かを把握することを試みた。その結果、能力や視点の多様性は新知識の創出を促進し、それを通してアライアンス成果に正の影響をもつこと、また企業文化や業務ルーチンの多様性は効率的な運営を阻害し、それを通してアライアンス成果に負の影響を与えることが示された。また、パートナー間多様性が与える負の影響を緩和するものとして、アライアンス・ガバナンスの役割について評価し、関係的ガバナンスについてその効果を確認することができた。これらの結果は、多様性要因を個々に扱ってきた先行研究の結果と概ね整合するものであるが、各要因を包括的に扱ったモデルを用いて検証することで、パートナー間多様性とアライアンス成果との関係についての理解を深めたことに本研究の意義がある。
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Research Products
(4 results)